見学・学習施設が充実し学校交流を盛んに受入れ―台湾修学旅行

台湾修学旅行セミナーを開催<全修協>

古川勝三氏

古川勝三氏

(公財)全国修学旅行研究協会(以下=全修協)は、10月19日に都内で「台湾修学旅行セミナー」を開催(共催:台湾観光協会)。台湾修学旅行の意義・魅力の紹介、昭和55年に文部省の海外派遣教師として台湾省高雄日本人学校に勤務した古川勝三氏の講演などが行われた。

近年の学習素材は 日本統治時代の足跡

  全修協調べによると、平成23年度の台湾修学旅行は高校73校が実施し、今年度の速報値では高校97校と、着実に増加。その魅力について全修協の岡田俊二事務局長は、見学・学習施設の充実、日本統治時代の足跡を辿ることが可能、学校交流の受け入れが盛んであることなどをあげる。

  近年の学習素材として挙げられる「八田與一記念公園」は、日本統治時代を知る場所。それについて、古川勝三氏は「台湾400年の歴史の中で、戦前日本が統治していた50年の功績が、親日の一番の要素だろう」と話す。当時日本が行った政策は、マラリア等の風土病の撲滅、社会基盤の整備など様々だが、中でも干ばつ・洪水・塩害の三重苦に支配された不毛の大地「嘉南平原」に烏山頭ダムを開発した八田氏の功績は、今もなお語り継がれている。

 

姉妹校提携も視野に 末長い交流の継続を

台湾修学旅行

主に高校の教員を中心に多くの参加者が集った

  台湾では学校交流を推進しており、修学旅行の行程にも取り入れやすくなっている。日本台湾教育センター主任の郭艶娜氏は、「日本文化が浸透し共通の話題が多い。姉妹校提携も視野にいれて交流を継続してほしい」と話す。

  台湾教育旅行のパイオニアとも言われている、埼玉県川口市立川口高等学校校長の木田一彦氏は、同県の平成26年度実施分からの修学旅行実施基準の改定と、同校を訪問した台湾の高校との交流等について報告。

  同校は、5月に台湾の高校を受け入れた。受け入れ時には、「添乗員との密な連絡、教員や添乗員へのバックアップなどが大切」と木田氏は述べる。今年度、同県では10校の学校交流が行われている。

【2013年11月18日号】

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