(公財)全国修学旅行研究協会(以下全修協)は、平成24年度に実施した修学旅行の実施状況調査、課題調査をまとめた。今回は、平成23年に発生した東日本大震災を受け、特に修学旅行における災害危機管理ついて調査研究に重点が置かれた。
同調査は茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県の関東5校、三重県・岐阜県・愛知県(県中学校長会調査データを使用)の東海3県、滋賀県・京都府・奈良県・大阪府・兵庫県・和歌山県の近畿6府県の公立中学校を対象に実施。回答数は2983校。
23年度に56校と回答があった東日本大震災以降の方面変更について(関東地区)は、千葉県内20校が、関西、信州を中心に変更。主な変更理由は福島第一原子力発電所の事故によるものだ。
また、修学旅行における安全対策については、発生時の対応組織(役割分担)を作っている学校が関東・東海(愛知県除く)・近畿すべてを含めて1243校(母数2573)で全体の48・3%。特に関東地区での作成率が61・1%と高い。
さらに、事前対応としてどのような安全対策を行ったのかという問いに対しては、事前指導の中での「危機管理意識の徹底」などをあげた学校が最も多く72・5%、次いで「班別行動中の安全対策の確認」が56・7%となった。
新幹線等が停止し戻れない状況が生じた場合については(関東地区)、約40%の学校が対応策を考えているのに対し、56%の学校が考えていないことが明らかになった。
対応マニュアルについては旅行会社に一任している学校もあり、学校の主体性が発揮されていないケースも多い。そのため、まずは「マニュアル作り」をと全修協はまとめている。
【2013年6月17日号】