修学旅行生が時計作り―東京・セイコーミュージアム

日本の技術や伝統を学習
相生市立那波中学生が挑戦

セイコーミュージアム
セイコーミュージアムで体験学習を行う
兵庫県の中学生ら
セイコーミュージアム

時計作りの精密な作業に取り組む

 昨年4月にリニューアルし、時と時計の情報を発信するセイコーミュージアム(東京・墨田区)は、5月9日に兵庫県相生市立那波中学校の修学旅行生を受け入れ、体験学習を行った。

  同ミュージアムで中学生の修学旅行の体験学習を行うのは初の試み。受け入れに際し同ミュージアムの熊谷勝弘副参事は、「若い人の時計離れを懸念しています。当館で時計の良さを発信していきたい」と話す。

 那波中は、修学旅行2日目となるこの日、班別で自主研修を実施。約100名の生徒が、班ごとに東京の伝統工芸や日本の技術を学ぶ体験学習を行った。

 体験学習は墨田区観光協会がコーディネートし、同ミュージアムでの体験学習には、2班11名の生徒が参加。講師はセイコーインスツル(株)時計研修センターの名倉健治副主査(写真中央)らが務めた。

 まず、時計には大きくわけるとウオッチとクロックの2種があること、腕時計には機械式、アナログクオーツ、デジタルクオーツがあること、それらの仕組みを学習。続いて、クオーツ時計の組み立てだ。

 初めて見る道具、部品、そして緻密な作業に、生徒は真剣な面持ち。同館ではこれまでアウトオブキッザニアで同様の体験学習を行っているが、今回は中学生ということで時針・分針・秒針を取り付ける、より高度な体験も組み入れた。
傷や指紋をつけないように、ゴミを混入しないように…など細かい作業が続き、最後に全員で12時に針を合わせ、同時に「りゅうず」を押す。秒針が動くのを確認すると、生徒らは安堵の笑みを浮かべた。

時計作りの苦労を 身をもって体感

  「今日は姉の腕時計を借りてきましたが、自分で時計を作って持ち帰ることができるこの体験が楽しかった」「時計を作ることがいかに大変な作業なのかがわかった」と、この世に一つしかない自分が組み立てた時計を腕に着け、午後の研修に出かけた。

【2013年5月20日号】

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