沖縄県と沖縄観光コンベンションビューロー(以下=OCVB)は、12月11日に都内で「沖縄修学旅行説明会 2012」を開催。新しい体験プログラム、沖縄の平和学習、危機管理・安全対策についての取り組み、都内の高校の事例などが紹介され、約70名の参加者が耳を傾けた。
OCVB・安里繁信 |
今回の説明会では、9つの新たな体験プログラムを紹介。沖縄県では、自然、歴史、文化、平和学習と、教育旅行用の多種多様な体験が魅力だが、修学旅行を継続している学校から新たな体験プログラムの希望が寄せられたことを受け、作られたという。
読谷村にある、体験王国むら咲むらの新体験プログラム「ぐすーじさびら体験」もその一つ。「ぐすーじ」とは、沖縄の方言で「お祝い」、「さびら」は「〜しましょう」を意味する。沖縄に様々あるお祝いを、仲間と作り上げる。これまでの少人数での体験とは違い、団結・思いやりを養うことが目的だ。
その他、「那覇まちま〜い」ガイドと県内大学生による交流体験プログラム、ロゲイニングなどが用意されている。
また、沖縄県では観光地全般へ向けた危機管理・安全対策について、現在取り組みを進めている。これまでは台風への対策が主だったが、東日本大震災後、地震、津波への対策を見直した。
IT機器の通信が不能となる前に、情報を配信できるようにシステムを構築。スマートフォンのアプリを使った配信など、迅速な対応をとる。
学校事例を紹介する高井教諭 |
現在沖縄県で修学旅行を実施している学校は、どのような内容で実施しているのか。国本女子高等学校(東京都世田谷区)の高井智代教諭が事例を紹介した。
豊富な事前学習で
修旅の主旨を理解
国本女子高校の事例
同校は、1999年に初めての沖縄修学旅行を実施。当時は本島と八重山諸島を訪れていたが、2003年に那覇のホテルで宮良ルリさんから沖縄戦の講話を聞いたことが転機となり、平和学習に力を入れていく。その後、民泊を取り入れた。
事前学習は、高1の6月23日(沖縄慰霊の日)から開始し、揃いのクリアファイルを配布し、各自で資料を保管。冊子「沖縄修学旅行ナビ」も取り寄せ沖縄を学ぶ。その後もひめゆり学徒隊や文化、基地問題、理科での自然学習、夏休みの課題図書、文化祭での展示発表と学習を重ねて、高2の11月を迎えるのだという。
説明会の終わりに、OCVBの安里繁信会長は「この国の全ての矛盾が沖縄には存在しています。そしてこの国の全ての可能性も沖縄にはあります。四季折々の魅力に加え、これからのこの国を考える、学ぶきっかけを沖縄で創設していきたい」と述べた。
【2013年2月18日号】