平成21年度より、埼玉県内の高校では初めての海外教育旅行として、台湾への修学旅行を行っている埼玉県立志木高等学校(西澤喜義校長)が、2月3日「2012ツーリズムフェスティバルアワード」の式典で、台湾政府交通部観光局より「台湾観光貢献賞」の表彰を受けた。日本からは13団体(名)が受賞。学校関係の受賞は志木高校のみとなった。
台湾の学校で交流活動を行った |
平成19年度頃、県の教育委員会から海外への教育旅行を検討してもよいという許可が出ており、さらに、教員の多くが海外旅行を経験していることがわかった。生徒へも海外への修学旅行を行うことで、視野が広がると考え始めた。木田一彦教頭は「世界の舞台で活躍できる人材の育成をと思い検討を始めました」と、当時の様子を話す。
旅行先の検討に当たっては、8万1000円という県立高校の修学旅行費の規定を超えない国、というのが大前提となり、安全の面、気候なども考慮した結果、アジアの候補地のなかから、親日国としても名高い台湾への修学旅行を決めた。
パスポートの取得から外国籍の生徒への対応、交流先の学校選び、関係機関への提出文書の作成など、様々な課題を乗り越え、平成21年度より実施にこぎつけた。保護者には事前に旅行傷害保険の説明など一つひとつの質問に回答し、生徒には現地の基礎知識や数時間の中国語指導を行った。
行政院院長の呉敦義氏から トロフィーを受け取る木田教頭(右) |
他校へも好影響 24年度は4校へ
現地では、大学や高級中学(高校)との交流を通じ、互いの文化や語学の交流などを実施し、帰国後は文化祭で発表を行ってきた。
木田教頭は「先日第1回目に台湾へ行った生徒から、有効期限がまだ残っているからと、自分でチケットを予約してドイツへ行ったそうです。修学旅行が海外へ出るきっかけになったと話してくれました」と、生徒の変化を感じている。
他にも、県内外の高校から情報を教えてほしいと問合せがあり、今年度は3校が実施し、次年度は4校が台湾への渡航を確定している。
【2012年2月20日号】