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修学旅行専用列車出発式
日本を学ぶ機会に

快適な旅と安全を願って

 今年度も修学旅行のシーズンが始まった。今年は東日本大震災の影響により、地域や実施時期の変更などもあるようだが、各校が実施に向けて準備を重ね、5月9日と13日には例年通り東京駅で出発式が行われた。

5月9日 関東地区公立中学校修学旅行委員会

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JR東海から記念品が渡される

 関東地区公立中学校修学旅行委員会(以下:関修委/(財)全国修学旅行研究協会内)は、5月9日、東京駅で出発式を行い、午前7時47分発の「のぞみ号専用臨時列車」で7校が関西へ出発した。

 出発式には、新横浜乗車や継走列車の関係で参加できない学校を除いた、牛久市立牛久第一中学校、取手市立藤代中学校、習志野市立第三中学校、浦安市立堀江中学校の4校の校長と生徒代表と、輸送に関わる東海旅客鉄道(株)から、中田邦彦東京駅長ら4名が参加。

  出発式では参加者それぞれが、東日本大震災で被災し修学旅行はおろか学校再開もままならない学校もある東北地方へ、思いを寄せた。

 関修委の大坪桂運営委員長(浦安市立入船中学校長)は、「いつもと変わらず実施できる幸せをかみ締め、日本のよさを改めて感じて実り多い修学旅行になるよう祈念します」とあいさつ。全国修学旅行研究協会の中西朗理事長は、「ここに立ち会える君達も思いの深いものになったことでしょう。中学時代最大の思い出作りをしてきて下さい」と送り出した。

 生徒を代表してあいさつした牛久第一中学校の小材彩華さんは「修学旅行どころか学校へ通えない人がたくさんいるなか、私たちはいろいろな人の支えで修学旅行に行くことができます。(同校の)スローガンである“日本のことをよく学び和の知識を深めよう”のもと、約束や決まりごとを守りたい」と決意を述べた。
 今年度、関修委が行う輸送計画は、関西方面へ785校を予定。東北地方へは当初千葉県の9校が実施を予定していたが、東日本大震災の影響により、方面や時期の変更などがあるという。

5月13日 東京都中学校長会修学旅行対策委員会

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生徒を代表して墨田中の和田さんがあいさつ

 東京都中学校長会修学旅行対策委員会(事務局:(財)日本修学旅行協会)は、東京都公立中学校の関西方面への修学旅行の第1陣が出発するにあたって、5月13日、東京駅の新幹線ホームで出発式を行った。

  この日、午前8時23分発の東海道新幹線の専用臨時列車で修学旅行に出発したのは、墨田区立墨田中学校、江東区立深川第八中学校、葛飾区立新小岩中学校、葛飾区立立石中学校、江戸川区立南葛西中学校、江戸川区立小岩第二中学校、江戸川区立鹿本中学校、江戸川区立葛西中学校の1190名。出発式には8校の校長と生徒代表、東海旅客鉄道(株)からは中田東京駅長ら4名が出席した。

  同委員会の小谷周一委員長(文京区立第十中学校長)は、「まず、東京都の中学生のために修学旅行専用団体列車を運行してくれるJR東海旅客鉄道のみなさまに感謝を申し上げます。みなさんがこれから向かう関西方面は歴史と伝統のあるところ。それを、実際に肌で感じてほしい。2泊3日の旅行の中で友達との友情を深めてください」とあいさつした。

  生徒を代表してあいさつした墨田中の和田絵美子さんは、「昔は東京から京都まで旅をするのは大変だったと聞きますが、私達を運んでくれるのぞみ号は2時間20分という快適な旅でワクワクしています。京都や奈良で文化遺産を見るのも大切ですが、新幹線での友達とのおしゃべりや窓から見える景色など全てが楽しい思い出になります。いっぱいの思い出を持って帰ってきます」と旅立つ喜びを言葉にした。

  また、JR東海からは記念品が贈呈され、代表して受け取った南葛西中の安部優芽花さんは「ありがとうございます。元気にいってきます」とお礼の言葉を述べた。

  今年度は延べ66日間、専用臨時列車が運行され、約7万2000人の中学生が関西方面へ修学旅行に出かける予定。

【2011年5月23日号】