自然・歴史・文化・伝統産業にありのまま触れる「ほんまもん体験」プログラムを用意し、修学旅行・体験学習の子どもたちを受け入れている和歌山県は、2月8日、都内で「2011体験・学び・感動の修学旅行セミナー和歌山県」(主催/和歌山県、(社)和歌山県観光連盟、共催/和歌山県教育委員会)を開催。仁坂吉伸知事も駆けつけ、県内の民泊をはじめとした「ほんまもん体験」の概要や、その教育的効果などについて関東の修学旅行関係者に説明した。
多くの修学旅行関係者が参加 |
和歌山県は年々少しずつ修学旅行の受入れ実績が増えており、平成22年度は20校となった。そのうち首都圏は8校で、埼玉県が一番多い。首都圏からのアクセスは航空機で南紀白浜空港を経由して白浜町まで70分。新幹線では新大阪か名古屋を経由する方法がある。
皆が交わって 生きる体験を
首都圏からは少し遠いが、それをしのぐ「ほんまもん体験」ができる和歌山県。セミナーの冒頭で主催者代表のあいさつ及び「ほんまもん体験」の修学旅行概要について説明をした仁坂吉伸知事は、「都会とは少し違うものをシェアしませんか、というのが“ほんまもん体験”。皆が交わりながら生きる経験をして欲しい。そうすることで頭が柔らかくなり、感動もするし、心が豊かになります」と述べた。
豊かな自然、悠久の歴史・文化、豊富な観光資源、全国に誇る特産品の4つが、同県が誇る修学旅行に最適な体験フィールド。世界遺産に登録された熊野古道、高野山などを舞台に、海、山、川全てにおいて学習が可能だ。和歌山県の仁坂吉伸知事による説明 |
民泊・体験共に
生徒は大満足
また、民泊体験で地域の人と交流できる環境も整っている。白浜町にある清流日置川エリア、本州最南端の町串本町ともに320人の受入れが可能。事例発表した千葉県立松戸矢切高等学校は、民泊とほんまもん体験を昨年初めて取り入れた。
従来は、スキー修学旅行を行っていた同校だったが、入試のシステムが変更になったことや福祉教養科の外部実習の都合などから、10月末しか修学旅行のタイミングがなくなったことを機に、3泊4日のうち2日間を和歌山で過ごすことにした。
「最初は修学旅行のイメージがなかった」と話した同校の明地和彦教諭だったが、1日目の民泊を終えて「たった一日なのに子どもたちが別れを惜しんでいた」と話し、離島でのシーカヤックや本マグロの養殖など6コース9種類を設定した「ほんまもん体験」での満足度も高かったという。
来年度他校と合併して校名こそなくなってしまうが、「新しい学校でも紹介するに値するのではないかと思った」と充実の修学旅行となった。
また、那智勝浦町、串本町、白浜町、みなべ町、日高川町から地域それぞれの「ほんまもん体験」が紹介された後、参加者がそれぞれの地域のブースに分かれ、梅干し作りなどを実際に体験し、セミナーは大盛況となった。
【2011年2月19日号】