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日本から100名以上参加

 

中国・西安 教育旅行シンポジウム

シンポジウムに多くの先生が参加

昨年12月末、経済発展著しい中国と日本、韓国の教育関係者による「教育旅行シンポジウム」が、中国陝西省西安市で開催され、「相互間の修学旅行促進」が合意された。とくに日中間では07年の「日中国交回復35周年」に続き、今年は「青少年交流年」とされているだけに活発な人材交流が増えていく見通しだ。将来、高校生による中国への修学旅行が軌道に乗るかどうかは時間がかかりそうだが、シンポジウムに参加した日本各地の高等学校の校長先生、教頭先生に同行し、古都・西安の観光ポイントを探訪、先生方の声を聞いてみた。
(旅ライター、日本旅行作家協会会員 中森康友)

長安城南門での歓迎式典

 「教育旅行シンポジウム」に参加したのは、首都圏、関西圏、中部圏を中心とした、県立や私立高校の校長・教頭先生103人。海外で一堂に会した人数では破格かも知れない。「教科書でページを割いている遣唐使の日本への影響力もあり、長安の都(現西安市)を会場にしたことで先生方の関心が強かったと思います」とは(財)日本修学旅行協会理事長の河上一雄氏の説明だった。

  主催する中国国家観光局、地元の陝西省人民政府が練った3泊4日の歓迎プランに従い、午後の視察コースは西安市内、郊外の歴史文化施設群巡り。人口800万人の西安市には高層ビル群や立体交差の3車線高速道網などがあり、7年前に見た崩れかけた長安城の外壁もきれいに修復され、城壁上の周囲14`は市民マラソンの場になるなど、変貌振りに目を見張らされる。たどたどしかったガイドの日本語も洗練され「そんなきれいな言葉を聞いたのは久しぶり」と感心する校長先生もいた。

  最大の観光ポイントとされる世界遺産、秦始皇帝陵の「兵馬俑坑」は、34年前に発掘された中国10大名所。約6000体の等身大の兵士の群像が圧巻。司令部跡の壁面、床面に張られた世界最古のレンガの存在に先生方の熱い視線が注がれた。中国で最も面積の大きな「漢陽陵博物館」では、東方ビーナスと呼ばれる前漢時代の裸身の人形を鑑賞したほか、約100万年前の人類「藍田原人」の頭蓋骨の化石を展示する陝西歴史博物館、楊貴妃の湯浴みの場とされる「華清池」、西安のシンボルで紀元7世紀に玄奘法師がインドから運んだ佛典を収納した高さ64bの大雁塔など見どころが尽きない地域だ。

世界遺産の秦始皇帝陵の兵馬俑坑

  限られた時間内の見学だったが、高揚した気分の先生方に聞いてみると「巨大な3000年前の皇帝陵墓の発掘遺跡には驚嘆し感動しました。人類の歴史や文化遺産を生徒たちに見せてあげたい」(金澤孝祐・望洋大谷学園大谷高校校長)、「東京からの航空アクセス問題などありますが、将来の修学旅行コースとしては検討の価値が十分あります」(河田昌一郎・拓殖大学第一高校校長)など西安訪問の成果に納得した表情だった。

  問合せ=中国国家観光局東京事務所TEL03・3591・8686