わたしの食と健康E
 

   朝食は旬の素材入り玄米雑炊

             小説家 志茂田景樹さん

 
 「おれたち不登校、個性と心で生きてやる」(KIBABOOK刊)は、小説現代新人賞でデビュー、「黄色い牙」で直木賞を受賞した志茂田景樹さんのノンフィクションである。作家活動のほかに、・KIBABOOK・を主宰。・KIBABOOK・ブランド、JBSフリースクール客員講師、バラエティ番組出演など、ユニークな活動で知られる。
 そこで、一人何役もの日常だから食生活は…、と思ったのだが、案に相違して健全そのもの。食べたい時に食べたいものを食べる。身体が要求しているから欲しくなる。だから、・食べたいものは、不足している栄養素・ということだ。仕事疲れでエネルギー不足、脂っこいものが食べたくなったら、カロリーや脂肪を気にしないで、ぶ厚いカツでもぺろり平らげ、身体や脳を活性化する。
 しかし、ふだんの朝食は茸類や海草をどっさり入れた玄米雑炊。NHKの生活ホットラインでも紹介したが、玄米に、ゴマ、味噌、茶などで味をつけ、具に旬の素材を入れる。玄米は圧力釜で炊いて一食分ずつ、ラップに包んで保存し、時に応じ活用すると重宝。酢を落とすと、味がまろやかで、殺菌の役目もするから、さらに結構ということだ。数多いレパートリー中でもお気に入りはゴマ味噌雑炊。味も栄養価も抜群。常食とすると・体質が改善されて、病気が予防できる・ということだ。これに、青汁やローヤルゼリーをプラスしたジュースを飲む。
 戦後の食糧難時代が小学生。気候温暖な伊豆半島に育ち、比較的食糧事情は良かった。しかし、給食の味噌汁と脱脂粉乳は大嫌い。無理して食べた味噌汁だが、今はすっかり好物になった。戦後貴重品だった砂糖も、志茂田家では黒砂糖が手に入った。その習慣で、今でも煮物には黒砂糖を使う。計らざるミネラル、ビタミンの助っ人だ。
 昼食は麺類だが、特に日本蕎麦が大好き。ルチン効果で高血圧も予防されるわけだ。夕食はいろいろ食べられる居酒屋で、一日の栄養をカバーする。お酒は主に焼酎、時にバーボン。飲みたいだけ飲んで、そのまま眠る自然態。子供の頃に読んだ中国関係の本で、医食同源が頭にあるので、薬食には関心がある。その反面、味の好奇心も旺盛。青海亀、蛇など、ゲテものにトライする勇気もある。

教育家庭新聞(99年6月12日号)