わたしの食と健康A
風土に合った食べ物を
風土・フードディレクター バーバラ寺岡さん
・コラーゲンをたっぷりと、コレステロールのない脂肪を摂っていたら、ダイオキシン禍もある程度は防げる・と力説する、ハンガリー生まれの生活発明家バーバラ寺岡さん。子どもの時からのアレルギー体質。じんましん、アトピー性皮膚炎、ぜんそくに苦しみ、成人してからは十二指腸潰瘍の手術や、冷え性、低血圧、膠原病など、いろいろな病気を背負ってしまった。
そんな体験から人いちばい健康志向が強く、衣食住と風土との関係や、世界各国の民間療法、不老長寿といわれる食物を研究。病気を治すのは自分の力。気力と正しい食事が必要と考えて、東洋医学をベースに、食物療法による、独自のオリジナル健康法を開発。多くの人に支持されている。
美味しいものばかり食べていると、本当の美味しさが分からなくなるからと、世界の一流の味だけではなく、三流の味も教えられて育ったバーバラさんは、味は風土、風味、風景の三つのバランス。おいしい食事なら伝統の味にプラス土地の酒だ。そこで、採れた土地と、食べ頃の大切さを知った。つまり、その国の食べ物は経験からきた知識だから、風土にあわないものは健康にもよくない。いくらヨーロッパで効果抜群でも日本の風土に合わなければ逆効果。それぞれの国の体質に合った食べ物が健康に一番いいというわけだ。
バーバラさんは、日本の味は水の文化。旬の食材に薬味を生かし、手頃な器に盛って、目で楽しむ。そして、西洋の味は油の文化。スパイスと油のハーモニーだという。レモンの5倍のビタミンCをもつスパイス・パプリカ・を使った・バーバラスペシャルパプリカ煮・を教えてくれた。
玉葱をポリフェノール豊富なグレープシードオイルで炒めて、トマトを加え、パプリカをたっぷり。コラーゲン食品の代表格・豚肉か鶏でゆっくり煮込む・というもの。油抜きのダイエットやゼラチン不足は女の命取りと喝破するバーバラさんにマッチしたウルトラリッチの健康食だ。
これに、ハンガリーの昔ながらの健康茶を添える。バーバラ家に伝わる秘伝のハーブティーは、エリザベート皇妃が夕食後に飲んでいたものと同じ。ビタミンCがレモンの十倍のローズヒップティだ。ビタミンC、カロチン、鉄分、カルシウム豊富な・バラの実・茶。これにもう一品・大棗梅肉・を加えてパワーアップ。健康だからこそおしゃれも楽しいし、食べ物もおいしわけだ。4月に50冊目「女の秘薬食」(砂書房)を出版する著者の、いつもぴちぴち健康と若さの秘密はこれだった。(石川よし子)
教育家庭新聞(99年3月27日号)