私の食と健康 第19回

 

自然と栄耀や筋肉となるものを選び
東京経済大学柔道部監督 保坂浩貴さん

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 東京経済大学体育会柔道部監督として、後輩の指導にあたっている保坂浩貴さん。中学時代から柔道を始め、高校、大学、そして卒業後も町道場での週に3回の稽古はかかさず、最近まで実業団の都大会や全国大会で活躍していた。

  保坂さんの現在の食生活は、朝に調理パンと牛乳に野菜ジュース、昼はお弁当、夜は稽古が終わった後に仲間と飲みながら食事をするといった感じ。特別に気をつけてはいないが、朝の牛乳と野菜ジュースは毎日欠かさないという。「特に栄養の知識などはありませんでしたが、高校生の頃から自然と栄養や筋肉となるようなものを食べるようになりました。肉、野菜、魚をバランスよく食べ、しっかりした体を作らなければと自然に考えていたように思います。」
  子ども時代からクラスでも体格は大きい方で、給食は必ずおかわり、1食に食べる量も多かったとのことだが、3食規則正しく食べ、ダラダラと間食をするようなことはなかったという。また好き嫌いもまったくない。食卓には毎日バラエティに富んだ様々なおかずが並び、保坂さんたち兄弟は、自然と何でも食べられるようになっていったという。「母親は私たちのその日の体調を見て、嫌いなものでも調理方法や味付けを少し変えて食卓に出すという工夫を凝らしてくれていました。現在は一人暮らしをしていますが、体自身が栄養の偏りを自然に防ごうと働くのか、自分の体に足りないものを自然に欲して食べるようになっています」。特別に気をつけて食事をしていないとのことだが、子供時代に自然と身についた食生活が今でもよい食習慣になっているようだ。
 「柔道をやる人は様々で、前の日に酒を飲んでいても強い人は強い。しかし、やはり一流の選手になるためには食事の管理は重要であり、私の周りでもオリンピックに出るような選手達たちは、皆きちんと気をつけていたと思います。私の場合は、楽しみながら柔道を続けてきましたから、そんなに神経質になって食生活に気をつけるようなことはしていませんでした。そこが一流の選手と違った点ですかね。」
 柔道のおもしろさは、自分で自分の体にどんどんアイテムを備え、自分で作った自分だけの技で戦えること。基本の技に、自分でいろいろ色をつけていく。「他のスポーツも同様ですが、特に柔道は人格形成を目的としています。勝った負けたという勝負よりも、精神的な部分で成長できるスポーツです」と語る。柔道をやっている子どもたちは、人の痛みのわかる強くて優しい子どもに育つという。子どもたちにどんどん柔道を薦めていきたいという思いで、町道場では日々地域の子どもの指導に精をだしている。
(教育家庭新聞2000年8月12日号)