拝見! パソコンクラブ(3)

ロシア、米国の学校と交流
       ー3校共同でホームページ制作

籠原小学校コンピュータークラブ
http://www.school.kumagaya.saitama.jp/~e-kago/


 英語で外国の学校と一つのホームページを協同作成していく「AT&Tバーチャルクラスルームコンテスト」に参加している小学校があると聞き、さぞかしりっぱな環境のもとで参加しているのだろう、と予想して訪ねてみると、実態は違っていた。普通の空き教室に、窓と壁に向かってパソコンが11台あるだけのコンピュータ教室。スタンドアロンで、インターネットにはダイアルアップで教師用の1台のパソコンが接続しているだけだった。

 高崎線籠原駅下車、徒歩約20分。住宅街の一画にある埼玉県熊谷市立籠原小学校では、関根達郎先生が前任校で同コンテストに参加した経験を生かし、今年からコンピュータクラブで同コンテストに参加している。
 4年生から6年生の児童21人が、毎週1回、クラブの時間に集まり、協同のホームページを作成している。

 日本、アメリカ、ロシアの3か国の小学校がそれぞれのエリアを担当し、一つの動物の島を作るのがテーマ。昨年7月ごろにグループを組み、これまでに英語での自己紹介カードを作り、交流校に送ったりしてきた。もちろん子どもたちは英語はできないが、家族に聞いたりして取り組んだ。また、外国から送られてきた英語の手紙を家に、持ち帰って家族で訳したりした。
 帰国子女の子どもで英語に堪能な子どももいるが、多くの子どもは英語がはじめて。しかし、外国から生の手紙がきたり、自分たちも手紙を書くと言う体験的な活動の中で、英語にもそう抵抗なく取り組んでいったようだ。
 「総合学習で今後、英語も取り上げることになり、子どもたちの反応を見たくて参加したこともあるが、取り組んでみると、ある程度すんなりと英語学習を受け入れてくるという感触をつかめた。」と関根先生。

 しかし、英語は、教師にとっても交流の壁になる。
 「私も英語がいやで、打合せのために送られてくる英語の電子メールを見るのもいやになった時期もある。しかし慣れてくるとそう難しいことではない。例えば、相手から送られてきたメールへの返信については、YesとかNOとか、I think soとか、簡単に答えるだけでも意味が通じる。また、ロシアなども片言の英語であり、やってみると英語メールがこわくなくなった。」
 現在は、「PaintShopPro」というソフトを使って担当エリアの絵やアニメーションを作成している。また、子どもたちそれぞれが簡単な自己紹介ホームページを作ったこともある。学校のホームページを見ると、ロシアや米国の交流校の作品が見られて楽しい。
 創意と工夫。手紙のやり取りというリードの仕方次第で、小学生でも英語や世界に目を開くことができると感じた。

(教育家庭新聞99年2月号)