お母さんからの学校給食Q&A@

調理室はドライに保つ

       杉並区立桃井第4小学校 栄養士 横山きよさん

 一昨年のO−157食中毒以来、給食のメニューに変化はあるのですか。また、食中毒対策というのは強化されているのでしょうか。

 O157食中毒以来、給食の献立から生野菜の姿が消えました。サラダやおひたし等、数種の食品を使った和えものは、煮びたし、煮合い、五色煮と釜で加熱調理した献立となり、例えば、ハンバーガーやサンドイッチなど、従来はレタスやサラダ菜を使用していましたが、現在はボイルキャベツ、温野菜に切りかえています。生野菜独特のシャリ感、清涼感がないかわりに加熱により量を多く取り入れやすいことで、特に根菜類の使用が増えました。

食中毒対策   
 文部省、都教委の指導を受け、学校給食日常点検票に基づき、作業前、作業中、作業後の中で、調理従事者の健康状態、衛生施設設備、使用水、検収、下処理、調理時、保存食、配食、検食、食器具の洗浄、消毒、残菜と廃品の処理、食品庫、児童、生徒の衛生指導等に至るまで、具体的項目を毎日チェックしています。

◎施設、設備面で改善・充実が図られました。大型冷凍冷蔵庫の設置や前処理室(汚染地区)と調理室(非汚染地区)の作業工程による衛生管理が徹底して、毎日の室温・湿度・冷蔵庫・冷凍庫・保冷庫等の温度は、朝・昼と記録を行っています。また、給食室改築にあたってはドライシステム化が進められています。
◎食品管理面では輸入を含め産地の明示、運搬中の衛生状態、配達時間、生鮮食品(肉魚豆腐等)の搬入時の温度記録等、全ての食品検収を厳重にチェックしています。
◎調理に際しては、前処理室(汚染地区)、調理室(非汚染地区)に働く調理員の白衣、前掛け等の区別を始め給食で唯一加熱しない果物の配食処理には、まな板、庖丁、入れる器に至るまで専用の器具を使用し、素手で行わず、消毒手袋、マスクを着用します。料理の温度、加熱特に焼物、むし物、揚げ物は中心温度を確認しています。
◎検食は児童・生徒の給食開始以前に校長をはじめ関係職員が試食しています。
◎保存食は二通り実施しています。
1食材の搬入と同時に乾物以外・全ての原材料を50gを目安に抜きとります。
2出来上がり料理を個別に弁当箱に入れ、12共に二週間冷凍保管しています。O157以前は96時間保管でした。
◎関係職員の検便は、月2回全員もれなくO157菌検査を含めて行っています。
◎外部からの給食室の出入りは、必要最小限とし、必ず専用のはき物に換えています。
◎ワゴンは給食時間ギリギリにリフトで各階に配列し、学級担任、児童にバトンタッチします。
◎教室での給食当番については児童の健康状態を担任がよく観察、把握して、安全で楽しい給食であるよう常に細心の注意を心がけています。
 
(教育家庭新聞99年4月17日号)