環境に取り組む企業H
ワールドワイドな視野でモノ作りの根本から環境対策
キャノン
◆企業理念=世界の繁栄と人類のために貢献すること。そのために企業の成長と発展を果たすこと。
◆環境保証理念=世界の繁栄と人類の幸福のため持続可能な経済の発展と地球環境との調和に貢献すること。
◆環境保証活動
@コンセプト=〇地球環境保護に対する企業理念を確立し、自主的・積極的に行動する〇環境・エコロジーに反する研究は行わない〇環境保証は他のあらゆる経営効率の追求に優先する〇キヤノングループとしての環境保証理念・目的・方針を設定し、地球環境保護へ向けた連結保証を実践する
A基本方針=E・Q・C・D(Enviroment・Quality・cost・Delivery)〇E:Qualification
To Prodce →作る資格〇Q:Qualification To
Sell→売る資格〇C・D:Qualification To
complete競争する資格
B基本目標=資源生産性の向上〇資源生産性(中期目標):2倍以上(TSS1/2活動の展開:時間・スペース1/2)以下基本対策、廃棄物対策と続く。
以上はカメラ、複写機、プリンターなど光学電子機器のグローバル企業キヤノン株式会社の環境保証体系。企業理念そのものが「共生」であり、世界、地球、人類のために、という高邁な行動指針が全社員に浸透してワールドワイドに環境対策を推進、その頂点をひた走っている企業、それが「キヤノン」のイメージだ。
キヤノンの環境対策の歴史は1971年、社内に「中央公害防止対策委員会」が設立された30年前から始まっている。「環境対策はどうかという質問のレベルでは当社はないですね、全人類の共有物である地球資源を枯渇させず、如何に有効に活用し社会に貢献していくか、キヤノンの社員だからという会社の枠を超越、地球人としてのあり方の原点に立って各人が全ての活動を展開しています」と、環境技術センター所長の山本英明氏は胸を張った。
確かに、キヤノンの環境対策は「環境を考えなければ企業が生き残れない」という最近の経営的背景から生まれた形式的なものではない。まず、御手洗社長が環境対策に本当に熱心だと言うこと。自らが自分の言葉で「環境」「共生」の理念を新聞、雑誌を通じて社会的に発表、責任の実践を公表している。
「製品における環境配慮とは、製品の一生(資材調達、生産、販売、使用、回収・再生・廃棄)を通じて環境に与える負荷を評価し改善しなければ、本当の意味で環境に配慮しているとは言えません。そしてそれらの環境影響のほとんどは製品の規格設計段階で決定されてしまいます。キヤノンでは、製品の規格設計段階で「製品アセスメント」を実施、省資源・省エネ・リサイクルあるいは最終的に廃棄する段階において容易にできるよう、事前評価し、必要に応じて設計変更を行うなど、モノ作りの根本から対策を実施しています」。同社の環境資料の巻頭に書かれたこの一文は、「エコロジー先進企業」を目指すキヤノンの姿勢のすべてを語っている。
(教育家庭新聞99年3月13日号)