連載 「環境に取り組む企業 第4回」
西友
(インタビュー 小林珠江環境対策室室長)
小売業として世界初 国際規格ISO14001取得
昨年の12月10日小売業界の大手、株式会社西友は品質保証の国際規格ISO14001の取得認定を受けた。小売業として世界初、事業所別取得の多い中で全店、全事業所216か所マルチサイト方式一括の取得はIBMに続いて世界で2番目の快挙。このことは「常に環境に配慮した商品の品揃えと表示を徹底、環境活動に積極的な企業であると認識されるとともに、企業として、環境に負荷を与えないためにきちんと取り組むという企業姿勢を、国際的に認められたということ」(小林珠江環境対策室室長)。確かにISO9000(製品部門)で立ち遅れた日本は、輸出関連企業を中心に14001に取得に過剰なくらい反応、すでに約1200事業所で取得しているが、跳ね返りの少ない国内小売業の取得は高く評価されるところだろう。
1990年から環境対策を本格的に開始
同社は、1990年9月に環境問題に取り組む部門(当初は違う名称)を設置、1996年11月には「ISO推進委員会」をスタートさせた。ISOの審査対象が、216か所の本部、店舗、事務所における小売業に伴う活動、商品およびサービスと広範囲に及ぶため、社員、パート・アルバイト社員を含めて、環境教育の徹底を図っている。
環境問題の目標を1自然保護2環境保全型社会の実現3生活環境の保全に置き、基本理念として「環境に優しく、・豊かさ・を失わない〈新たな生活文化の創造〉」を設定、それを実現するために6つの活動指針を明示、マネージメントシステムの中に完全に組み込んだ形で見事なまでの展開となっている。
具体的活動も活発となり、環境に優しい「NF基準」(原料・工程低負荷、再生素材使用、再生可能、省資源・省エネルギー、環境保全推進)に合致した開発商品も415品目に達し、廃棄物のトレイの削減、簡易包装の普及、リサイクル運動、物流、事務用品、店舗建設等すべてに目標を掲げて推進。宣伝広告に使用するチラシの再生紙混入率35%、宣伝物古紙使用率50%以上と徹底している。
地域と一体となった環境学習プラン「西友エコニコ学習会」
今年から始まった西友とコミュニティが一体となった環境学習プラン「西友エコニコ学習会」「西友エコニコ家計簿」は・できることから始めよう・・知ることから始めよう・・調べてみよう、考えてみよう・という環境問題の原点に立ったユニークな企画。
◇「エコニコ家計簿」今年の6、7月に西友全店舗で用紙5万枚を配布、来年5月まで電気、ガス、水道、ガソリンの使用料と金額を記入、結果報告と省エネアイディアを募集、優秀なアイディアに商品券など賞品を贈るもの。
◇「エコニコ学習会」今年の7月24日から8月7日までの1日を利用して全国の西友51店舗で開催。店頭告知で応募した小学生と父兄にISO環境教育で学んで店長らが約3時間にわたって実践教育。42名の教室全員参加(佐賀・高樹小)もあって各店とも成果があった(小林室長)。「ちきゅうはいまごみで「パンク」しそうだからごみをださないでりさいくるできる物は気をつけてさいせいにきょうりょくしようと思います」大阪府東尾祥子さん(8才)の感想から。