環境に取り組む企業第22回
株式会社 トヨックス

健康でクリーン実現

【TOPページに戻る】


 平成12年4月5日午後1時、東京西の副都心といわれる総武線錦糸町駅前「東京マリオットホテル錦糸町東武」3階芙蓉の間の記者会見場は、いつもの会見前の雰囲気とはちょっと違った雰囲気が漂っていた。それは、富山県黒部市に本社を置く「株式会社トヨックス」からの《日本初・ドイツから画期的な「輻射式」トヨックス自然冷暖房システムの登場》の案内状の内容に対する、期待と関心の高さにあったようだ。

 「皆さん、ヨーロッパの冷暖房システムはエアコンから天井輻射冷暖房時代に確実に移行しています。当社はドイツニッケル社の技術ノウハウと設備を導入し、これを国産化、約2年間の販売実績から本格的に拡販する方針を決定。今般当地錦糸町に輻射の良さを体感していただくモデルルームを開設しました」と、開発責任者である代表取締役専務・宮村正司氏(写真)が力強く挨拶の口火をきった。
 輻射式冷暖房は、暖房は天井や壁に毛細管マットを敷設し約31度の温水を流し、その穏やかな輻射熱で室内を快適に保つ仕組みで冷房の場合は水温を16度から18度にするだけで、夏は涼しく冬は暖かい状態を作り出す。同社開発の毛細管マットは管と管の隙間が狭く、敷設面全体で冷水(温水)で覆われていることになり、熱効率の高い冷暖房システムを実現した。
 「輻射」とは、空気を媒体にして伝わるのではなく、直接物体に熱が移動して冷・暖房を感じる現象。このため快適で均一な温度を「風なし」「音なし」「冷房病」なしの、心地よい、自然そのままの環境となり、従来のエアコンの苦情を一気に解消する。このシステムは送風による空気の動きがなく、ゼンソク等の原因となるほこりが舞い上がらず、燃焼設備を室内に置かないため、一酸化炭素や二酸化炭素を発生させず、空気を汚さない「健康にやさしくクリーンな環境」を作り出している。

 また、さらに大きな特長は、1低質熱源での冷暖房2フィルターの交換不要3天井ダクト空間を従来の空調に比べて30から50%薄くした効果などで、実に30%の省エネ・経費節減を達成していることだ。
 昭和38年11月東洋化成株式会社で創業、昭和58年11月トヨックスに社名変更、資本金8500万円、年商61億円の同社は、耐圧ホースと接続金具のパイオニアとして多くの流体輸送のシステム商品を産業界や家庭に供給、NASAの宇宙飛行士酸素供給ホースにも採用され、現在国内の耐圧ホース分野で、シェア70%のトップメーカーである。
 世界一のホース技術が認められて、21世紀の冷暖房市場に参入した同社は、環境に配慮したFA工場とともに、ミレニアムの環境に挑戦する企業の代表選手であるようだ。(モデルルーム=03・3625・1281)
(教育家庭新聞2000年4月22日号)