環境に取り組む企業第19回
サッポロビール株式会社

「いいものだけを」モットーに
より踏み込んで地域貢献

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 「ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー」この言葉は1958年サッポロビール株式会社が採用した広告のキャッチフレーズ。世界のビールの本場を世界地図に図案化した斬新なデザインとともに大きな反響を呼び、ビール生産の最適地は世界でこの3都市という印象を消費者に強く与えた。

 1876年6月、北海道開拓使の「札幌ビール」発売が同社の発祥。以来「札幌麦酒会社」「日本麦酒醸造会社」「大日本麦酒株式会社」と変転、昭和24年の集中排除法で「日本麦酒株式会社」に、1964年1月、現在の「サッポロビール株式会社」に移行している。
 「いいものだけを」これは同社の企業スローガンだ。戦後「ニッポンビール」で再スタートしたブランド戦略で苦戦を強いられ、1956年、北海道で「サッポロビール」。ついで71年「エビスビール」を復活させた123年の長い歴史の中に、「いいものだけを」というスローガンを設定した深い意味が込められているようだ。
 同社に限らずビール業は有害物質とのかかわりが極めて少ない。ビール醸造に伴う副産物は飼料、肥料、調味料、食品などに有効利用され、ラベル箔、王冠などの廃棄物はそれぞれ製紙、製鉄に再資源化されている。容器についてもガラスびんや樽はリターナブル容器として再利用され、アルミ缶やスチール缶、ダンボールの大半は回収されて元の素材として再利用されている。また、工場部門で発生する副産物・廃棄物についても100%の再資源化を98年9月に達成している。

 「製品・販売・工場関連での環境対策から、現在は一歩進んで1投資及び技術導入による環境負荷の低減2地域環境活動への積極的参加が新しいテーマとなっている」(大原啓司社会環境部理事部長談=写真)といわれる同社の主な活動を列挙する。
 ●ISO14001の認証を全工場で取得。
 ●フロン冷媒を使用しない冷凍機の採用と不要フロンの徹底回収。
 ●ごみ焼却炉の廃止。
 ●包装・広告・販売促進品の非塩化ビニール素材への転換加速。
 ●嫌気性排水処理から副生するバイオガス(メタンガス)を利用した燃料電池製造システムを世界ではじめて開発。
 ●国際ビーチクリーンアップに春秋2回社員700〜800人参加。
 ●ビオトープ園【自然復元生態園】を市民に開放。(静岡・千葉工場)
 ●毎年約30万人が参加するビヤフェスティバルを全工場で定期的に開催。工場見学、各種イベントを行い、環境コーナーであき缶5個でジュースのプレゼントが大好評。
 「いいものだけを−」に「環境のサッポロビール」をプラスしてもっとアピールして欲しい、環境優等生会社だった。
(教育家庭新聞2000年1月29日号)