学校栄養士を訪ねてG
廊下や給食室での触れ合い大切に
千葉市新宿小学校 角川うめ子さん
千葉市立新宿小学校は、運動会や大きな行事を子ども達で構成する実行委員会組織で運営している。もちろん給食活動も委員会活動を中心に、子ども達が進んで行っている。委員会は給食主任、栄養士と4年〜6年生のクラスの児童2名づつで組織されている。
活動としてはまず「この時期に大切なことは何か」を、子ども達がいろいろ出し合い、めあてをつくり、全校に広める。栄養士の角川うめ子さんは子ども達をサポートする程度で、子ども達の意見で運営しているという。校内テレビ放送を通して、委員会の子ども達が食や、健康についてペープサートでの寸劇で提案する。昨年度は「カルシウムについて」「かぜの予防」という内容で行った。角川さんも「給食でカルシウムを多く含んでいる献立は何か」ということやそれらの食品をきちんと摂ることの大切さを伝えた。
更に、学校保健委員会を年二回開き、講師の先生(学校医)を招き、職員、保護者代表、委員会の児童とともに、栄養や健康について話し合っている。
「給食の時間は楽しく食事をしてほしい」と話す角川さん。新年度はクラス訪問するが普段はたまに様子を見に行く程度であるという。「毎日、給食室に食缶等を返しにくる子ども達と会話することで、子ども達の様子や、クラスの様子がよくわかります」。子ども達から「今日の給食はおいしかったよ」「一生懸命たべたよ」「ピーマンがたべられるようになったよ」といった声が返ってくるとうれしくなるそうだ。
このような場でも子ども達とのコミュニケーションを積極的に図っている。「教室訪問も大切ですが廊下や給食室で声をかけ合うことで生まれる触れ合いも大切ではないでしょうか」と話す。
献立についての質問や、「家でつくってもらいたいから作り方を教えて」などという声もあるという。子ども達からのリクエスト献立、6年生のお弁当給食、体験学習ということで、校内安全週間にかんぱんを取り入れた野外給食を実施し、喜こばれた。「食教育の場というのは、食べている時間はもちろん大切ですが、家庭科や、生活科などの授業を通して、食べることについて考えさせることも大切であると思います」。
角川さんも校内研究の仲間に入り、担任と一緒に授業に取り組んでいる。その中で、栄養指導用の年間計画を立てたり、給食を生きた教材として活用できるよう、資料を作成したりしている。
昨年度は「健康な体づくり」という3年生の授業に参加した。子ども達が自分達の健康について問題点を見つけ、調べ、そこから生まれた疑問点を質問するという形で授業を行った。
食の指導を行う上で大切なことは「ビタミン類の働きや、三大栄養素等について教えることも大切だが、すききらいなく、何でも食べられるということ。自分の健康は自分で守るということがポイントだと思います」給食の場が教育の一環として、マナーや、仲間づくりの場であることも大切にしているということだ。「まだ自分から積極的に授業をする段階ではないが、少しでも授業に参加出来れば」と話す。
(教育家庭新聞99年4月17日号)
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