広げよう朝の読書
三千校を突破 「心の教育」として注目

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 「朝の読書」実践校が全国で3000校を突破、1月18日現在で3027校に−−朝の読書推進協議会((株)トーハン内)の調査で明らかになった。「朝の読書」は千葉の市川学園・林公(はやし・ひろし)教諭が提唱する、教師の自主的な教育実践の運動。読書を通じて子どもは自らと対話し、成長する「心の教育」として注目されている。

 全校で、又は全学年、全学級で朝の10分間、一斉に本を読む。読む本は自由、好きなスタイルで読む、ただ読むだけ。感想を求めたり評価したりしない、というシンプルな実践。しかし読む楽しさを知った子どもたちは、読書から無限に学び、文章力や集中力も高まるなど、教科・学習への効果も報告されている。
 同協議会事務局(佐川二亮局長)が呼びかけ、各地域で交流会が開催されている。また実践している教師たちの自主的なネットワークも形成されるなど、量的にも質的にも活発なものとなりつつある。

 朝の読書実践研究会の林公代表は、「朝の読書実践研究会の皆様へ」と題し、「全国の皆さんに訴えます。何よりも重要なのは初めの一歩、勇気ある一歩、行動であることを自分から、そして自分の隣へ、さらに全国へ知ってもらおうではありませんか」と呼びかけている(通信・2)。
 同調査によると、「朝の読書」実践校が最も多かったのは静岡県で209校、次いで長野県が179校、沖縄県が第3位で146校と続く。100校以上の県は岩手、山形、福島、鳥取、島根、岡山、高知、佐賀を加えて、11県にのぼる。
 特に鳥取、島根は県、市をあげて教育委員会も後援しての盛り上がりを見せている。さらに秋田、千葉などでも地域ぐるみの取り組みとなっている。一方で東京都をはじめ、大都市での実践が、今後の課題となっている。
(教育家庭新聞2000年1月29日号)