教育家庭新聞ニュース
インターネット実践研究は30ヵ所
文部省10年度予算−各局で情報化を推進
文部省の平成10年度予算案が発表された。一般会計は5兆7908億円で、今年度比0.5%のマイナスとなった。このうち、情報教育関連では、平成7年度から実施している「へき地学校高度情報通信設備活用方法研究開発事業」が、今年度比27.9%増の6億7362万円。「情報通信ネットワーク拠点の整備」は逆に、20%減の12億824万円。教科におけるネットワーク活用のあり方などを研究する「インターネット利用実践研究地域指定」は、19.9%増の1億1517万円。また、高等教育関係では、衛星を使った大学間等のネットワーク構築事業が、国立大学、私立大学関係ともに大幅増。生涯学習関係では、新規にオンディマンドの学習システム開発事業を設置した。
【初等・中等教育関係】
〈へき地学校高度情報通信設備(マルチメディア)開発事業〉6億7362万円。前年度比27.9%増。
平成7年度から、離島や山間地の学校等を光ファイバーや通信衛星を利用し、都市部の学校等と接続している。10年度は、新規にデジタル回線(INS64)を用いて、へき地学校とへき地学校・都市部の学校等を接続する(2地点間または3地点間接続)。19か所、委嘱期間3年。1か所当たり単価約1500万円。なお、前年度からの継続分を合わせると、全体では31か所。
〈情報通信ネットワーク拠点の整備〉12億824万円。前年度比20%減。
教育センターなどにインターネット接続用のサーバーを置き、学校のネットワーク利用環境などを整備する。平成9年度からスタートした事業。初年度は25か所の整備を予定したが、財政難で各県からの応募が少なく、実際はその約半数にとどまった。10年度は20か所を整備予定。
この事業には、ソフトウェアライブラリーセンターの整備経費も含まれる。
〈インターネット利用実践研究地域指定〉1億1517万円。前年度比19.9%増。 授業など、インターネット利用のあり方や課題について、協力者会議などを設けて研究する。30地域(前年度25地域)。1地域当たり6校。プロバイダー経費、通信料などを補助する。1地域の単価約380万円。
〈学習用ソフトウェア開発事業〉4億7071万円。前年度比22.5%減。
企業と学校の先生、学識経験者などがチームを組み、学校に適した良質なソフトを開発する。16チーム。
〈情報教育の改善に資する調査研究委託〉
2817万円。新規。委託研究テーマ=@ネットワーク構築のあり方と利用方法についてのマニュアルの作成Aマルチメディア技術を活用したテレビ会議システムによる遠隔教員研修の研究B高度・高速ネットワークの教育利用についての研究C有害情報等の研究。単価700万円。委託先4件。
〈学校図書館情報化・活性化推進モデル地域〉6797万円。前年度比26.9%増。 学校図書館に様々な情報ソフト及び情報手段を整備し、公共図書館等とネットワークでつなげ、学校図書館を活性化させる。モデル地域には小学校3校、中学校2校、高校1校程度の実践協力校を指定。8地域。委嘱期間3年間。コンピュータ等のレンタル料も含む。
〈マルチメディアを利用した補充指導についての調査研究〉4283万円。前年度比25.6%増。
病気療養児に関する調査研究6件(前年度4件)。
〈障害のある子どものためのインターネットギャラリー〉300万円。新規。
インターネットを活用したギャラリーを開設し、障害のある子どもの芸術作品の公開の場を作る。社会一般の理解を深めるとともに、障害を持つ子どもの「生きる力」を引き出し、また創作意欲を喚起する。
実施主体・国立特殊教育総合研究所。
http://www.nisego.jp/
【高等学校教育関係】
〈衛星通信大学間ネットワーク構築事業〉8億4609万円。前年度比465%増。
スペース・コラボレーション・システム事業のこと。現在、大学、高等専門学校など73機関89局が整備済み。10年度は、6局を整備予定。大学間等におけるネットワークを拡充し、遠隔教育やマルチメディアを活用した教育方法を開発していく。
〈
私立大学衛星通信ネットワーク(ジョイント・サテライト)構築事業〉4億7500万円。前年度比183%増。【生涯学習関係】
〈オンディマンド学習システム研究開発プロジェクト〉4100万円。新規。
オンディマンド技術を活用した学習システムなどについて研究。1都道府県に委嘱。
〈放送大学の全国化推進〉111億2500万円。前年度比5.6%増。
学習センターの整備や通信衛星による放送の実施など。
【体育・健康教育関係】
〈エイズ教育情報ネットワーク整備事業〉4100万円。前年度比5.1%増。
(教育家庭新聞98年2月7日号から)