教育家庭新聞ニュース

インターネット利用促進へ

学校向け特別料金を

文部省と郵政省の懇談会が近く提言

 

通話とプロバイダー料金

文部省と郵政省の両省による「教育分野におけるインターネットの活用促進に関する懇談会」(座長=石井威望・慶應義塾大学教授)は5月26日、第5回目の懇談会を開き、提言の案文をまとめ、討議した。

提言案は、「子どもたちがもっと自由にインターネットを使える環境」を基本目標とし、その環境創設の施策として、回線料金及びプロバイダー料金について学校向けの特別料金の設置について、提言する方針を固めた。

現在、日本の学校でインターネットに接続されている割合は1割弱に対し、米国では約7割の学校が接続され、日米の開きが大きい。この理由の1つに回線料金などの問題があるとされ、日米を比較すると、1ヶ月で24時間使用したと計算すると、日本の通話料金約7000円に対し、米国は約3分の1の2000円、プロバイダー料金も米国は日本の3分の1程度となっている。

郵政省では、提言を受け関係機関に働きかけたい考えだ。

また、案文では通信回線の高度化も要望している。 学校で多くのコンピュータを使って授業中にインターネットを利用するには、高速の回線が必要になる。文部省の補正予算で118校の光ファイバー接続が打ち出されたところだが、参考資料「アメリカの公立小学校・中学校の先端テレコミュニケーション調査報告書」(1996年秋)によると、米国公立学校はモデム33K(74%)、 SLIP/PPP33K〜(20%)、56K11%、ISDN(64K〜128K)4%、T1(1・5M)12%となっている。

このインターネット活用懇談会は昨年12月にスタート。 現場の先生や大学教授などからのヒアリングを重ね、インターネット活用に関わる課題や考え方、利用環境の整備などについて検討してきた。

委員は大学教授、通信事業者など14人。提言は次回6月17日の会合でまとめられ提出される。

 

(教育家庭新聞6月6日号から)