スクールシティ事業統括部 部長
田中 俊信氏
ウィザスは、学習塾や予備校、広域通信制高等学校、カウンセラー養成講座などを行う関連会社を傘下に持つ、総合教育サービス企業だ。2月18日には、毎日新聞社と業務提携を行い、毎日新聞社のwebサイト「毎日jp」の中に「毎日教育eタウン」を開設した。「毎日教育eタウン」は、ウィザスが運営している「スクールシティー」の各種講座の内容が確認できるほか、申し込みも可能。また、「スクールシティー」のトップ頁には毎日新聞のニュースが掲載されている。
スクールシティ事業統括部 部長 田中俊信氏は、「弊社が運営している『スクールシティ』は、弊社が開発提供したe‐ラーニングシステムを使って、色々な講座を運営してもらうもの。弊社が開発した運営システムを各企業に貸し出し、実際の各講座の運営はそれぞれにやってもらう形のビジネスモデルです」
仕組みは楽天が運営する楽天市場やヤフーが運営するヤフーショッピングなどと同じだ。
「システムができあがってから、弊社が運営する学習塾や高等学校卒業程度認定試験対策講座でトライアルを行い、修正改良を行って本格稼働しました」
システムの特徴は、テレビ会議システムを使ったインタラクティブ性やライブ性で、クラスの生徒が同時にアクセスすることでクラスルームやリアルタイムでの講義を行える。
こうした仕組みで受講生の学習意欲を持続できるように工夫されている。「高等学校卒業程度認定試験対策の講座では、500名の受講者のうち、1年間で退学者がわずか3名という、非常に高い継続率が出ている」という。
●多彩な講座を開設
3月25日現在、スクールシティには37コースが公開されている。ユニークな講座としては、NPO法人エスビューローが運営する「ネットでeクラス」がある。これは、小学校高学年から高校生の小児がん経験者(小児がんサバイバー)を対象にWebホームルームを立ち上げ、学習支援を実施しながら学習コミュニティの形成を図るという内容だ。
また、Z会ネットスクール、中学準備コース、90点ゲットコースといった学習コンテンツも充実している。そのほかには外国人看護師・介護福祉士候補生対象日本語コースや世界遺産検定対策講座なども開講されている。
●休校時の補習にも
「今後は、コンサルティング会社のセミナーの配信や、企業の研修、そして中学や高校の補習などで活用が進むのではないか。特に中学高校はインフルエンザで休校になった時にも活用することもできます」
ウィザスは、教科学習指導の「第一ゼミナール」等、高等学校卒業程度認定試験と通信制高校サポート校の受験指導・進路指導の「第一高等学院」、広域通信制単位制高等学校「ウィザス高等学校」「ウィザスナビ高等学校」等を運営しており、こうした場で蓄積した教育のノウハウがスクールシティに生かされている。
【2010年4月3日号】