株式会社 バッファロー
首都圏営業グループリーダー
石井 康史 氏
メモリーやドライブ、ネットワークなどのPC周辺機器を提供する、バッファロー。なかでも99年から開始した無線LAN機器は、長年市場シェアのトップを走る評価の高い製品だ。02年からは、学校現場にも無線LANの提供を開始、HighPower無線LAN、セキュリティケース、管理ソフトなどを盛り込んだ文教向けパックで、利便性の向上及びトータルコスト低減を図りながら校内ネットワーク構築を果たしてきた。
TVでデジタルコンテンツ活用
校内ネットワークは、効果的に活用して初めて意味を持つ。だが学校全体でネットワークを活用したICT授業を行えている学校は多くない。そこで同社では、より手軽に校内ネットワークを活用できるよう、TVを通してコンテンツの活用授業を行えるメディア・ネットワーク・プレイヤー「リンクシアター」を提案。リンクシアターと合わせて放送番組やコンテンツを保存するサーバ・外付けハードディスクがあれば、使い慣れたリモコン操作で動画や静止画などを手軽に呼び出し一斉授業で活用できようになる。
文教向けVOD登場予算1/10実現
さらに、より広く校内ネットワークを利用してもらうため、文教向けにカスタマイズしたメディア・ネットワーク・プレイヤーや小型サーバをインタアクトに供給。インタアクトがVOD製品「ムービー・アット・コーダー」として商品化し、6月から販売が開始される。
文教向けに販売する「ムービー・アット・コーダー」は、コンテンツをエンコード(アナログ情報をデジタル化)する機能を搭載。NHKなどの認可された放送番組をエンコードしてサーバに保存、編集、再配信が可能になる。各教室ではメディア・ネットワーク・プレイヤーを通して配信されたデジタルコンテンツがTVで視聴できる。
インタアクトの田中社長は「これまでのVOD製品の10分の1程度の予算で導入できる。同時アクセスも32、33台に対応するため、複数のクラスが同時に呼び出しても、遅滞なく蓄積した映像を見たい時間にスムーズに見てもらえる」と語る。
地デジ対応のTVを全教室に入れる予算がない、全クラスへPCを配備する予算がない、という学校も多いが、石井氏は「安価な周辺機器も組み合わせ次第で、高価なソリューションと同等の機能性、使い勝手が実現できる」と同社の姿勢を語る。
意欲的にICT環境を整えようとすると立ち塞がる予算の壁。周辺機器の効果的な活用はそうした壁を取り払う有効なソリューションの一つだ。
(聞き手 吉木孝光)
【2007年6月2日号】