小学校のパソコン設置率、初めて9割超える
指導できる教員は2割に
文部省情報教育の実態調査
小学校のコンピュータの設置率がはじめて9割を超える――文部省が今年3月31日現在で行った、情報教育の実態調査が発表された。
コンピュータの設置率は小学校90・7%、中学校99・8%、高校100・0%、特殊教育諸学校98・7%で、前回調査(平成8年3月・日現在)に比べ、小学校の設置率が6・0ポイント、特殊教育諸学校が0・4ポイント上昇した。コンピュータを設置する学校における一校当たりの平均設置台数は、小学校が8・5台、中学校25・3台、高校66・6台、特殊教育諸学校10・0台となり、前回調査に比べ、小学校が1・6台、中学校1・4台、高校4・7台、特殊教育諸学校1・1台増加した。高校の台数増が目立つ。
各学校種合わせたコンピュータの設置台数の合計は、73万5848台。前回調査時が65万5157台なので、平成8年度1年間で約8万台が新規に購入されたことになる。なお、前回調査時の対前年比増加台数は約5万台で、新整備計画の計画最終年度(平成11年度)に向けて、ピッチが上がってきているようだ。
購入方法は全体で、買取の割合が対前年比5ポイント低下し68・7%に、レンタル・リースの割合が4・8ポイント増加し29・7%となった。また、総設置台数約73万台に占める32ビットパソコンの割合は約50万台67・6%、16ビットパソコンは約22万台29・5%となった。
コンピュータの設置場所は、コンピュータ専用教室(61・4%)、多目的教室等(22・3%)、教科の特別教室(19・2%)の順。職員室にも66・6%設置されている(複数回答。)前回に比べ、各設置場所とも設置率が上がっている。例えばコンピュータ専用教室は5ポイントの増加、他は1〜2ポイントの増加となった。
LANにより設置している学校は、小学校が13・4%、中学校56・5%、高校60・4%、特殊教育諸学校8・8%。小学校の導入率は低いが、前年に比べ、3・6ポイント増加した。
ソフトの平均保有本数は小学校137・9本、中学校429・4本。前回に比べそれぞれ37本、23本増加した。平均保有種類数は小学校24・5本、中学校61・8本。ソフトの整備方法は、市販ソフトが87・7%と高い。教科別では、小学校は算数、国語、理科、社会。中学校は数学、外国語、理科、技術。高校は職業教科・科目、数学、理科の順で多い。
コンピュータを操作できる教員は46・5%となり、前回より約5ポイント増加した。また、コンピュータで指導できる教員の全教員に占める割合は19・7%となった。文部省は指導できる教員の割合について、これまで一貫して「操作できる教員数」を分母に計算していたが、今回はじめて「教員数」を分母に計算した数字を出した。より実態を重視する姿勢を表わしてきた、といえる。
なお、これについては11月22日号で詳報する。