前回に引き続き、最近の「スマホサミット」の様子について考えてみます。
(1)低年齢化
私がこの問題に関与し始めた2007年頃のトラブルの中心は高校生でしたが、2012年頃から中学生に移行してきました。それが2015年くらいから小学生のトラブルが多発しています。
それに伴い、各地のサミットに小学生の参加が増えてきています。
(2)小学生の発言
当初は、サミットへの小学生の参加に慎重な場合が多かったのですが、実際は小学生の存在が会を盛り上げます。
高校生の場合、「自分が言っても変わらないかも」と効果に疑問を持つ場合もあるのですが、小学生の発言はとても前向きです。
実際の小学生の発言を紹介しましょう。
「夜遅くまでスマホしたら勉強どころじゃない」「ご飯は家族で食べなきゃおいしくないから、食事中はスマホ禁止」「友達といる時にスマホするのは失礼だと思う」
(3)中高生の反応
同席している中高生たちは、苦笑いしながら同意します。
「なかなか聞いてくれない人も多くて…」「途中で抜けようとしたら、雰囲気悪くなりそうで…」など、中高生には中高生なりの事情があるようです。友達がみんな盛り上がっていて、自分だけ別の提案をするのは難しい、と言います。
(4)何が違うのか?
小学生はスマホをする子がまだ少数派なのに対し、中高生はスマホをする人が多数派。小学生はスマホ使用を否定するような発言をしやすいのに対して、中高生はスマホ使用を否定することで自分の存在が危うくなりかねない、ということでしょう。このような事情からか、どのサミットでも小学生の発言によって非常に会が活性化していました。
しかし、昨年末くらいから事情が変わってきました。小学生の中にも中高生と同じように苦しい状況を吐露する子が増えてきたのです。「みんながやっているときに止めようと言いにくい」等の発言が増えてきました。小学生が当事者入りしてきたのかもしれません。
まだ感覚レベルですが、小学校高学年でLINEのコミュニティが確立しつつある場合が増えています。特に女子にその傾向が強いです。小学生男子への普及もかなり進んでいますが、3DS等の携帯ゲーム機の話題が多く、女子と異なる印象です。
【2016年2月1日】
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