不登校中学生の割合 |
小学生のスマートフォン使用さえ一般的になってきました。それに伴い、学校で起こるトラブルも変化してきています。今回は、不登校生の変化に焦点を当てます。
グラフは、不登校率の推移です。ちょうどスマートフォンが流行しはじめた平成24年を境に上昇しています。私はこの符合は偶然ではないと考えています。他にも要因はあるはずですが、スマートフォンが不登校生に与えたインパクトは強いと考えるべきでしょう。
不登校生が明るい?
最近よく「不登校生が変わった」という声を聞きます。ある県の不登校研修会後、40歳代の先生3人に不登校について話してもらいました。
A 昔の不登校生は暗かった
B 漫画は読み尽くした
C テレビは奥様仕様でおもしろくない
B 最近の不登校生はあっけらかん
A 一日中、ドラえもんを観てる小2
C 昔はレンタル
A 今はネットで見放題
B スマホゲームも基本無料で、友達と競ったりしてる
C ネット上で友達作ったりしてね
A 結構、楽しくやってて悲壮感がない
もちろん、暗く悲壮な不登校生も多くいますが、今回問題提起したいのは、「明るい不登校生」も増えていることです。
今、不登校生の多くは、日々アニメ、ゲーム、さらに友達とネットでやりとりをしています。これらすべてはスマホ一台で事足ります。昔は、アニメはレンタル、ゲームはソフトとお金がかかりましたが、今はネット上に無尽蔵にあります。
ゲームもアニメも友達もネットで
昔は不登校状態が長く続くと、お金が続かなくなったり人恋しくなったりして、学校へ行って友達と遊びたくなりましたが、今の不登校生は、必ずしも現状に不満を持たなくなっています。深刻な状況です。
またネットは、ある種の子どもにとっては快適です。ネット上でケンカ等のトラブルに遭遇しても、すぐに切ることができます。ネット上にはいくらでも出会いがあるからです。現実はそうはいきません。仲直りしないと友達がいなくなります。ケンカ、仲直りを繰り返し、だんだんと大人になっていきます。子どもたちが現実を避け、ネットに安住してしまうのは非常に危険です。このあたりを私たち教育関係者はしっかり認識しなければなりません。
今、試されているのは私たち大人の側です。
【2015年11月2日】
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