スマホ議論をする子どもたち |
1か月前にSNSで仲良くなった同い年の友達とずっとLINEでやりとりを続けています。「ちょっと会わない?」と誘われました。あなたならどうしますか。
右の表は、ある小学6年生へのスマホ等に関する学習会での子供たちの反応だ。
マスコミでは、ネットに起因する犯罪が繰り返し報道され、各学校でもかなり力を入れて子供たちに説明してきた。事前予想は、「『会いに行く』に手を挙げる子はたぶんいないが、『迷う』は少しはいるかもしれない」くらいだった。
私たち社会が子供たちに向けて鳴らし続けている警鐘が、子供たちには十分に届いていないと考えるべきだろう。
回答を挙手で求めたため、周囲の様子が影響された部分もあるだろうが、少なくとも私たち教育に関わる大人には問題提起になる数字だ。
この小学生たちには、ネット上の出会いの危険性を十分に説明したところ、「ネットには怖さもあることがわかった」という感想が多数聞かれた。
風化する前に
2年前の夏、ネットに自分の愚行を投稿し、「炎上」してしまう問題が多発した。店舗の冷蔵庫に入った画像や遊園地での迷惑行為の画像、線路に降りた画像などが、マスコミで何度も放映された。Twitterで行われる愚行なので、「バカッター」と呼ばれるようになり、社会問題となった。
学校や自治体でも問題視し、様々な対策がなされた結果、最近はそのような問題はあまり見なくなった。しかし、最近スマホを使い始めた小学生は、2年前は「当事者予備軍」としては見なされていなかったので、教育の対象者ではなかった。
そう考えると、当事者になる前の教育も必要だ。さらに、風化してしまわないように、何度も繰り返し教育していくことが必要だ。
予想以上の低年齢化
私自身、小学生に対してスマホ等について授業する機会に恵まれており、さらに研究室に出入りする学生たちも頻繁に小学校に出向いている。そのため、小学生の現状がわかりやすい位置にいるので、予想以上の低年齢化に危機感を覚えている。
小学校5、6年生は今、まさに当事者になってしまっているので、小学校3、4年生あたりから対策を始めなくてはならないのかもしれない。
さらに、1年ほど前から「育児スマホ」について考える機会が増えている。対策の対象は幼児にまで広がるのかもしれない。
【2015年6月1日】
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