北九州工業地帯の歴史を追う |
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京都にあるノートルダム女学院では昨年11月、1年生の社会科の授業でSchoolGISを活用。当時の単元である北九州工業地帯を舞台とした。 「北九州工業地帯をテーマに掲げたのは、実施当時の単元であったほか、埋め立てによる海岸線と土地利用の変化を確認するのに適していることから。 100年前の地形図ではわずかに最初の製鉄所が描かれているに過ぎませんが、最近では埋立地が他の工業に利用されていたり、製鉄所の跡地を遊園地に転用するなどの事例を見ることができます」と水野有紀先生。 前時に北九州工業地帯の成り立ちや最近の変化を学習した後、1時間の指導案をもとにSchoolGISを利用して授業を展開。 モニタ上で明治33年、昭和23、47、61年現在の5枚の地形図を表示しながら、生徒各自が海岸線や土地利用の違いをプリントに記入しながら学習を進めた。 生徒にとっては入学後、はじめてのコンピュータルームでの授業。いつもと違う雰囲気に少々興奮気味の様子。 まず「最初に八幡製鉄所が作られた場所は現在何になっている?」という問いに、生徒は水野先生が示した4択から選択。100年前の地図データを現在の地形図に重ね、スペースワールドという遊園地に変わったことを確認した。 生徒は拡大・縮小・移動などの操作を繰り返しながら、学校や駅など周囲の様子にも目を向けていく。 次に水野先生は質問を投げかける。 「建設当時のまわりの様子を知るには、何を見る?」。 教師用モニタで水野先生が明治33年の地形図の表示方法を指導し、生徒たちは自ら操作しながら気がついたことをプリントに書き込む。 以後、生徒各自が昭和23、47、61年の海岸線データや地形図を重ね合わせる操作をしながら、埋立地の広がりや土地利用の変化を実感した。 GISを使った地理授業を展開し、水野先生は、 「生徒たちはリアルな画像や紙地図では難しい拡大、縮小の簡便さに一様に驚きを示していましたが、操作指導に多少時間がかかり、個人差も大きかったです。しかし、各自がコンピュータを操作し課題に取り組むことで、生徒同士が教え合う姿も見られ、また個々のつまづきも把握できたと思います」と話す。 準備時間や技術面でコンピュータの敷居の高さを実感するものの、「今年度もGISを利用し、学校近辺にある銀閣寺や哲学の道などをテーマに変化を追及していければ」と期待を示していた。
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