文科省情報教育課の梅村課長が講演 |
第43回全日本教育工学研究協議会全国大会が和歌山で開催され、5つの小中高等学校での公開授業や新学習指導要領の円滑な実施に向けた講演、教育情報化認定校の表彰やパネル討論が行われた。文部科学省・生涯学習政策局情報教育課の梅村研課長は基調講演で、教育の情報化の現状と今後の展望、次年度予算について講演。新学習指導要領を想定した整備と整備計画の立案について参加者に呼びかけた。【関連4面】
文科省・梅村課長は「学校ICT整備関係」「情報活用能力の育成、教科指導におけるICT活用の促進、教員のICT活用指導力の向上関係」「校務の情報化の推進、教育情報セキュリティの確保」等について、教育委員会・自治体に次のように呼び掛けた。
▽新学習指導要領の実施を見据えて学校のICT環境を段階的・計画的に整備する。計画を策定していない自治体は早期に計画を策定する。
計画策定の際には、ICT活用教育アドバイザー派遣事業の活用も検討する。なお、「平成28年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査」結果については、12月中に公表する。予算確保等で本調査結果を早急に必要とする自治体については、情報教育課に問い合わせれば個別に提供する。
▽PCについては機種変更にとどまらず、新学習指導要領の実施に向けて3クラスに1クラス分の可動式PCを実現する。
▽カリキュラム・マネジメントにより情報活用能力の育成に学校全体で取り組む。小学校においてはプログラミング教育の準備を検討する。
▽主体的・対話的で深い学びの視点から授業改善にさらに取り組む。
▽教員のICT活用指導力100%の達成を目指す。文科省の指導事例集等を参照する。
▽業務負担軽減に資する統合型校務支援システムを都道府県単位で導入する。
▽文科省が策定した教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインを参考にしながら学校の情報セキュリティポリシーを作成・更新する(関連2面)。
▽教育の情報化の一層の加速化に向けて、「全国ICT教育首長協議会」への参画も含めて各種取り組む。
さらに次年度予算について「eスクールやプログラミング教育の実証事業について、好事例を普及するなど拡大していきたい。統合型校務支援システムや遠隔会議に関する取組については、財務省から厳しい指摘を受けているが、何等かの形で実現する。情報化の進展に合わせて情報モラル教育教材も改訂し、情報活用能力の育成に向けてプログラミング教育の取組を広げたい」と述べた。
【2017年12月4日】
関連記事