クラウド活用を後押し 教育クラウド・プラットフォーム協議会が設立

6月16日、教育クラウド・プラットフォーム協議会設立総会が総務省で行われた。本協議会では、プラットフォーム提供事業者間の連携・協調を図ることで学校向け教育クラウドサービスの普及を促進する。

事業者間で連携・強調

協議会では普及WGと技術WGを設置して全国キャラバンの展開や教育委員会への助言、ID認証・学習記録データの取り扱い、コンテンツ等の安全性・安定性などを確認。先導的教育システム実証事業において取りまとめを予定している標準仕様にも本協議会検討の成果を反映する。協議会の庶務は総務省とICT

CONNECT21が行う。オブザーバとして文部科学省、経済産業省の参画も予定。発起人は以下。▼NTTコミュニケーションズ ▼増進会出版社 ▼学研ホールディングス ▼リクルートマーケティングパートナーズ ▼Classi

教育クラウド・プラットフォーム協議会
後方左より南俊行政策統括官、輿水恵一大臣政務官、太田直樹大臣補佐官、池永敏康大臣官房審議官、宮原博昭学研ホールディングス代表取締役社長、山崎昌樹Classi代表取締役社長、庄司哲也NTTコミュニケーションズ代表取締役社長、藤井孝昭増進会出版社代表取締役社長、山口文洋リクルートマーケティングパートナーズ代表取締役社長
(役職は6月16日時)

NTTコミュニケーションズでは、総務省・先導的教育システム実証事業で教育クラウドを提供。増進会は学習プラットフォームや統合型校務支援ツールを各種提供しており、今後は学習履歴とデータ連携、クラウド上で一括管理ができるようにする。学研ホールディングスは、教科学習、調べ学習、英会話、特別支援向けコンテンツを提供。リクルートは、インターネットを通じたEラーニング教材を提供。高等学校においては反転学習や放課後学習、アクティブラーニングなど様々な活用が進んでおり、現在20自治体と実証実験中で、インドネシアなど海外での活用実績もある。Classiは、学習記録、生徒カルテ、Webテスト、SNSの仕組みをクラウド上で提供。なお新たなプラットフォーム提供事業者の参加も可能。

先導的教育システム実証事業でプロジェクトマネージャーを務めた佐藤昌宏教授(デジタルハリウッド大学大学院)は目的は「トップとボトムの差を埋めることではなく、ボトムに対して広く機会を与えること。テクノロジーの利活用はマスト」と語る。

総務省は「クラウドで学習機会を増やし底上げと先端の伸長を図る。小中学校に教育クラウドを広げるには工夫が必要。まずは2020年までに無線LAN整備を100%とする。今年度中に第1次整備計画を立て、前倒しで整備していく」と述べた。

6月2日に閣議決定された「日本再興戦略2016―第4次産業革命に向けて」では、2020年までに主要な観光・防災拠点における無料Wi|Fi環境の整備推進、学習者用端末の1人1台整備、無線LAN環境等の標準化、整備の加速などが求められている。

5月20日に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言」においては、統合型校務支援システムの普及に向けた業務プロセスをモデル化。教員の多忙感を解消して教育活動の質の向上を図ることが盛り込まれている。

【2016年7月4日】

 

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