タブレットPC250台を活用 <杉並区立桃井第三小学校>

「からみ」「ゆらぎ」授業に盛り込む

公開授業風景
教員用タブレットで写真を次々に提示して振り返り(社会)
デジタル教科書
デジタル教科書のイラストに書き込み求め方を考える(数学)

杉並区立桃井第三小学校(末永弘統括校長・東京都)は10月23日、全ての学級で授業公開を行った。同校ではタブレットPC250台や電子黒板、デジタル教科書、各種教材ツールを活用しながら、「ICT活用で実現する協働的な学び〜タブレット端末等を活用して」を研究課題としてこの2年間取り組んできた。

全学級で授業を公開

公開授業は特別支援学級を含む全学級で公開。タブレットPCは、電子黒板と組み合わせ、低学年では主に教員が活用しており、中学年は主にグループ1台や2人1台、高学年は主に1人1台などで活用。授業目的や教科特性により、タブレットPC、指導者用デジタル教科書、協働学習支援教材や各種授業支援アプリなどと組み合わせて活用している様子が見られた。

ICT活用を思考の可視化ツールとして捉え、目的や視点を明確にして話し合いを深める「からみ」、考えをゆさぶられる「ゆらぎ」2つの相互作用を視野に入れた授業デザインを構築することで、思考力・判断力・表現力を高めることを目標としている。

*…*…*…*…*…*

4年国語科「リーフレットを作ろう」では、指導者用デジタル教科書で目標を明確にした後、既習事項である

リーフレット作り
前方にデジタル教科書 児童用タブレットではリーフレット作り(国語)
タブレットPC上にまとめる
調べたことをタブレットPC上にまとめる(社会)

「アップとルーズで伝える」や「分かりやすい説明文を書こう」で学んだ内容を活かしてクラブ活動のよさが伝わるリーフレットを4人グループで協力しながら作成。表現活動支援ソフト「キューブキッズ〜リーフレットをつくろう」を使ってタブレットPCで編集していた。

5年社会科「自動車をつくる工業」では、1人1台でタブレットPCを活用。学習課題を「日本は、なぜ多くの車を短時間で効率的に作れるのか」として、教科書や資料集、インターネットで調べ、その内容をタブレットPCでまとめている。その内容はその後、グループ内で共有、一本化。発表につなげた。授業者は、授業支援ツール「MetaMoJi Share for ClassRoom」を活用し、児童の進捗状況を把握していた。

5年理科「流れる水のはたらき」では、4人で4台のタブレットPCを活用。実験前後の写真・動画・実験後の図を並べ、水の働きについて考え、グループ内で意見交換。まとめて発表を行った。

6年算数「比」では、習熟度別学級で展開。教科書や独自問題など、習熟度により扱う問題が異なる。教科書を活用しているクラスでは、デジタル教科書から「学習課題」を提示。子供のタブレットPCには、考えのヒントとなる教科書のイラストを配信。イラストにある入学式の写真から、比の考え方を用いて入学したときの身長の求め方を考える。児童はタブレットPC上にペンで書き込みしながら考えをまとめていた。授業支援アプリは「ロイロノート」を活用していた。

 

【2015年11月2日】

 

↑pagetop