文部科学省の高大接続システム改革会議は「中間まとめ」を9月15日に公表。改革の3本柱「高等学校教育改革」「大学教育改革」「大学入学者選抜改革」の具体的方策をまとめた。
■新テストを導入
高等学校段階の基礎学力を評価する新テスト「高等学校基礎学力テスト(仮称)」を導入。平成31〜34年度は「試行実施期間」とする。35年度実施分から次期学習指導要領に基づくテストに移行。
対象教科・科目は必履修科目。国語・数学・英語で試行実施。出題範囲は原則「国語総合」「数学1」「コミュニケーション英語1」を上限。「学力の3要素」のうち基礎的な「知識・技能」を問う問題を中心とする。次期学習指導要領が実施される段階で、地理歴史や公民、理科等を追加導入も検討。
教科「情報」については、問題の発見と解決に活用するための科学的な考え方等を育成する新たな科目の在り方について中央教育審議会教育課程企画特別部会において現在検討されていること等も踏まえて検討。
同一テスト時間内で問題の正答率に応じてそれ以降の問題の難易度を変える適応型テストに拡張しやすく様々な技能を測定しやすいことから、CBT方式の導入について検討する。
■新科目を設置
育成すべき資質・能力を踏まえた教科・科目等を見直し「教育課程の見直し」を図る。
「世界史」の必修を見直し、共通必履修科目として近現代を中心に歴史の諸相について学ぶ新科目「歴史総合(仮称)」や、持続可能な社会づくりに必要な地理的な見方や考え方を育む新科目「地理総合(仮称)」を設置。数学と理科の知識や技能を総合的に活用して主体的な探究活動を行う選択科「数理探究(仮称)」も新設。
■教員養成段階で新科目
教育委員会と大学等との協議・調整のため「教員育成協議会(仮称)」を設置。新課題に対応するため、教員養成段階における新科目の設定を検討。「教員育成指標」の全国的整備や教育委員会によるアクティブ・ラーニングの視点からの研修計画の策定等を行う。
■PDCAサイクル
高等学校教育全体の質の確保・向上を図るための仕組みとして、各学校が教育目標を実現するために教育課程を編成、実施、評価、改善していく「カリキュラム・マネジメント」を確立。学校における「PDCAサイクル」を構築。設置者ごとの高等学校教育の計画を立案する。
多面的な評価を行うための指導要録も改善。なお学習評価の在り方の見直しや指導要録の改善などの「多面的な評価の推進」実現における具体的な方策については中間まとめ以降に詳細に検討。
【2015年10月5日】