連載

【第20回】ICTキャンパス 大阪大学

大阪大学
昨年9月にVDI(Virtual Desktop Infrastructu
re、仮想デスクトップ環境)BYOD(Bring Your
Own Device,、1人1台の持込PC)を整備、その後1
0か月を経過した大阪大学サイバーメディアセン
ター

BYOD対応でVDI導入
利便性向上 運用コスト低減

仮想デスクトップ環境で運用コストを低減

大阪大学はサイバーメディアセンターを2000年度に設置し、学内外の情報基盤整備を行っている。

14年9月、同センターはVDI(Virtual Desktop Infrastructure、仮想デスクトップ環境)を利用した情報教育端末サービスの運用を開始するとともに、BYOD(Bring Your Own Device、持込PCの活用)の推進をスタート。

その後約10か月が経過し、運用コスト面や教育面において効果を上げていることが明らかになってきたという。

VDIは、1台の物理サーバーに複数台の仮想マシンを集約し、仮想マシン上で端末のOSやアプリケーションを動かす仕組み。仮想マシンとクライアント間では、イメージ情報と入力情報をやり取りする。

個人持込PC対応もVDI導入の理由

VDI導入のもうひとつの大きな理由が、BYODへの対応だ。

学生にとってPCなどの情報デバイスは、すでに必須のツールだ。大阪大学では、学生は自分の端末を使って授業を受けるというスタイルへ変化すべきだと考えていた。

しかし、学生はさまざまな情報端末を持っている。ネットワークを介して教育コンテンツを届けるには、何らかの統一性が必要だった。これを解決するため導入したのがVDIだ。

「VDIの導入によって、教員やTA(ティーチング・アシスタント)は、授業の準備などが自分のオフィスから行えるようになり、利便性が増して、よく利用されているようです。学生にとっても、課題などを自宅で行えるのは、大きなメリットだと思います」(大阪大学サイバーメディアセンター 情報メディア教育研究部門講師 間下以大氏)

たとえ無償のソフトウェアでも、自宅のPCに大学側と同じ環境を用意するのは難しいこともある。そういった場合でも、自宅などからネットワークに接続するだけで、大学のデスクトップ環境が使えるのは大きなメリットだ。

このように大きな利便性があるVDIだが、利用方法がよく理解できていない学生も少なくないという。

そのため、今後はVDI利用のさらなる周知を図っていくと同時に、BYOD推進も一層強化していく計画だ。

「VDIは一般的な座学の授業でも、必要に応じて共通のデスクトップ環境を提供することができます。これは、授業中に学生個人のPCからVDIを利用することで、授業で使える道具の選択肢を大きく広げることになり、より高度な教育のより効果的な実現につながると考えています。こうしたことのためにも、BYODの推進が必要だと考えています」(間下氏)

 

【2015年8月3日】

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