「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」により、英語教育は大きな転換を迎えている。2015年3月1日、株式会社イーオンは小学校から大学などの教育機関・教育委員会を対象に、同社の英語指導ノウハウなどを活用し学事支援を行う「学校教育課」を新設した。同社の三宅義和代表取締役、学校教育課・プロジェクトマネージャーの木村和章氏、同・教務責任者の菅井幸子氏に「学校教育課」設立の目的と計画を聞いた。
ニーズに合わせたカリキュラムを提供
日本人・外国人教師がチームで英語力 育成をサポート 三宅代表取締役(前列 右) 学校教育課・菅井氏(前列左)同 ・木村氏(後列中)、外国人講師 |
「日本のこれまでの英語教育、即ち受験英語や文法学習は役に立たないという意見があるが、それは誤り。受験英語や文法は基礎となるもの。そこに効果的なトレーニングを加え、総合的に4技能を伸ばすことが『使える英語』への道。語学修得に近道はないが、効果的なトレーニングはある」と語る。
イーオンでは、創立以来40年以上にわたり「読む・書く・聞く・話す」の「4技能の育成」を大事にしながら「英語で英語を教える」指導を行っており、その長年のノウハウが学校教育に役立つのではないかと考え「学校教育課」を立ち上げた。
「学校教育課」では、英語教員向けセミナーや大学・高等学校における正課授業への教師派遣、学校職員向け英語力アップ研修、海外留学支援などを行っていく。
小学校から高等学校の英語教員を対象にしたセミナーでは「英語で英語を教える」指導方法、「4技能の育成」指導のコツ、プレゼンテーション・ディスカッションの指導法、教員自身の英語運用力を高めるトレーニング方法、ALTとのコミュニケーションの取り方などニーズに応じたカリキュラムを提供する。
大学・高等学校への教師派遣では各々の学校方針に合わせ、英語コミュニケーション力向上や4技能のスキルアップ、プレゼンテーションやディスカッションなどに対応。正課授業のほか、夏休みなどの集中講座や各種資格試験対策など要望に合わせたカリキュラムにも対応する。現在、一般向けに展開している「おもてなし英語」や英字新聞を使った研修には学校からの要望も届いているという。
海外留学支援では短期語学留学から大学・大学院留学、インターシップなどの留学相談から留学生活までサポート。このほか、留学生に対応するための「学校職員向け英語力アップ研修」のニーズも多い。
資格試験対応も4技能が必要に
今後、各大学における外部試験の導入は一層の進展が予想される。高等学校でTOEICやIELTS、TEAP、英語検定などの成績が求められるようになるが、教える側、学ぶ側双方にとって、各種試験の傾向を把握して学ぶことが必要だ。
企業内の英語公用化に向け、某社の社員研修をイーオンが担当。目標は社員の職格ごとに定められたTOEICスコアをクリアすること。テスト対策と共に英語を声に出して読むトレーニングを徹底的に実施することで英語を苦手としていた対象社員は目標スコアを達成することができた。「資格試験対策は問題集に取り組めば成果が上がるというものではない。効果的なトレーニングにより4技能をバランス良く伸ばすことがスコアアップのコツ」という。
効果的な学び方を日本人教師が提供
では、効果的なトレーニングとはどのようなものか。
日本人向けの学習方法の提供は、外国人教師では難しい面がある。
イーオンにはTOEIC満点教師が約90人、英検1級取得教師が約270人おり、留学経験なしで英語力を高めた教師も所属。どのようなトレーニングをすれば英語力が向上するかを実体験から提示できる。
学習者はもちろん、教員にとっても、家庭学習のノウハウは「使える英語力」を身につけるためにも重要だ。
「総合的に4技能を伸ばすことが『使える英語』への道。イーオンのノウハウを広く教育現場に提供していくことで、均質な教育内容を学校展開でき、日本人全体の英語力向上につながるようサポートしてきたい」と語った。
■問合せ (株)イーオン学校教育課Tel0800・111・1111(10時〜19時) www.aeonet.co.jp/education/
【2015年4月6日】