教育委員会対象セミナー・岡山 ICT機器の整備計画/校務の情報化
3月27日、教育家庭新聞社は第23回教育委員会セミナー「ICT機器の整備計画 /校務の情報化の推進」を岡山で開催した。岡山での開催は初。当日は教育委員会や学校教員が多数参集した。講演内容の抄録を掲載する。次回の教育委員会セミナーは7月に東京で開催する。
詳細=www.kknews.co.jp/semireport
広島県竹原市立 竹原小学校 半田裕二教諭 |
竹原市立竹原小学校(広島県)には各教室に電子黒板、WindowsPC、実物投影機が整備されており、この2年間は民間企業の実証研究校としてタブレットPC40台も活用。基礎学力の定着のためのICT活用を検証してきた。ICT活用として、授業中の「導入」「見通しを持たせる」「思考を可視化する」「適用問題に取り組ませる」という4つの場面を想定している。
学習に課題のある児童に対して有効なICT活用を検討したところ、迅速に繰り返し提示できるフラッシュカードをデジタル化した教材を作成、活用することにした。パワーポイントで教材を作成し、基本形をコピー&ペーストして作成していった。国語では4000ページ程度の教材が蓄積されている。この教材活用のポイントは「テンポ良く」「音をつける」「声を出して答えさせる」「答え方にバリエーションをつける」など。一番大切なのは「間違えても良いという雰囲気」だ。楽しい活動を繰り返すことで全員が間違えないようになる。
PCのフリーズや誤操作に慌てない
タブレットPCの活用については、次のように整理した。「ノートでできることはノートで行う」「タブレットPCだからできることで活用する」「児童が活用するルールを徹底する」「活用するときは積極的に。失敗してもよい」
タブレット端末を活用するメリットは「児童の意欲が向上する」「すぐにやり直すことができる」「間違えた時の児童の表情が軽いように感じる」「自分の力に合った問題を選択できる」など。文字や図を書き込む、書き込んだ画面を送受信するなど、タブレットPCにしかできない活用と、従来のノートに書く場面を比較すると、タブレットPCを活用した方が「全員が自分の考えを書く」「電子黒板に自分の考えが提示されることを肯定的に捉えている」などが挙げられる。
初めの頃は、PCがフリーズすると教師もフリーズすることがあったが、トラブルがあって当然という気構えで臨むようにしている。
デジタル教材やタブレットPCを活用した成果として、広島県の「基礎・基本」定着状況調査の結果、点数がアップした。ICTの効果とは言い切れないが、一因であると捉えている。
今後の課題は、活用方法や場面の精選、ICTと非ICTのバランスをなどだ。しっかり検討しながら進めていきたい。(講師=竹原市立竹原小学校・半田裕二教諭)
【第23回教育委員会対象セミナー・岡山:2015年3月27日】
【2015年4月6日】
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