「静かに」「活発な」議論

ipadで意見を
ipadで意見をつける

全ての意見にコメント

多摩市立愛和小学校(松田孝校長・東京都)では、ICTを活用した協働学習に取り組んでいる。10月31日、6年生学級活動で「下級生に伝えたいこと〜第1回卒業生として〜」という授業が行われた。

iPadで協働学習

授業では、教員用タブレット端末2台と児童用タブレット端末が1人1台、アップルTVに接続した電子黒板、タブレット学習支援ツール「REAL‐TIME LMS」と「ロイロノート」を利用した。

この単元の目標は、「愛和小学校にこんな学校であり続けてほしい」「下級生への引き継ぎをしっかりと行い、卒業に向かいたい」という思いを育てること。

評価項目として「伝えたいことを自分達の姿で語るために、自分の考えを進んで発表し、みんなで取り組もうとしている」「よりよい学級や学校づくりについて話し合ったり、決定したことにみんなで協力し、信頼し合って取り組んだりすることができる」「話し合いの仕方や、よりよい結論を求め実践していくための手順や方法について理解している」の3つが設定されている。

活動計画は計5時間。

第1時に自分たちの課題とそれを克服するためにどんな活動を実践すればよいかアンケートを取り、第2時には、学級全体で取り組むことを決めるため、自分の考えを書き、友達の意見と比べ、お互いにコメント。

今回の第3、4時では、理由を明確にして、具体的方針や手段を決め、役割や準備、活動計画について考えた。第5時には、卒業まで活動に取り組むとともに、学級目標の達成や下級生に姿で語ることができたのかを振り返る。

すべての意見に全員がコメント

電子黒板には、前時までに各児童が考えた活動を掲示、その理由をそれぞれが発表した。続いて各活動について、具体的に良い点、心配な点、改善点を「REAL‐TIME LMS」を使ってコメントし合う。

REAL‐TIME LMSは、児童のタブレットへの教材配布や添削、それぞれの意見にコメントを付ける協働学習機能などを備えている。

今回はこの機能を使うことで、約10分間で各児童の意見に他の児童7名全員がコメントをつけることができた。

発言はなく教室は静かだったが、児童は活発な意見交換を行っていた。

次に、自分の意見に付けられたコメントを参考に、自分の意見をまとめる。ロイロノートを使って5枚のテキストカードに自分の意見、理由、具体的な方法、良い点を整理してから、最終的な自分の意見をまとめた。

教員は、各自の意見、付けられたコメント、最終的な意見を時系列に教員用タブレット端末で確認。児童は最後のカードを電子黒板に送り、全員の前で発表した。

さらに発表をもとに取り組む活動を決めるため、机を向い合せて話し合いを行った。

「みんなのお手本になるクラス」という学級目標を達成するためには何をすべきかということを重点においた話し合いが行われた。

研究会で教員も活用

研究協議会では、教員全員がREAL‐TIME LMSを使って意見交換を行った。

講師の鎌田和宏帝京大学教授は「ICTが非常によく使いこなされていて感心した。

子供の切実な課題を設定することが大切」と話した。

【2014年12月8日】

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