世界の教科書展を開催<文教大学>

反転授業を想定してデジタル教材を作成

10月31日から11月2日、文教大学越谷キャンパスの藍蓼祭において同学教育研究所が収集した世界の教科書約550冊と日本の指導者用デジタル教科書、文教大学の授業で地域の学校でのICT支援として作成したデジタル教材が展示された。

デジタル教材を活用した模擬授業も行われた。

学生の自作した教材は項目ごとに1分程度の映像に簡潔にまとめることに留意しており、反転授業を想定した教材作成が、教育学部を中心に取り組まれている。

2日間にわたり行われた文教大学教育研究所客員研究員および大学院生によるiPadを活用した3つの模擬授業には、延べ50名の参観者があった。

模擬授業で3つの学習スタイルを披露

文教大学教育研究所客員研究員・長田朋之氏(本務校=光塩女子学院初等科教諭)は、算数5年生の「一筆がき」の模擬授業を披露した。

デジタル教科書による一斉授業と1人1台のiPadminiによる一筆書きのレベル別の個別学習、iPadによるグループ学習による一筆書きの作成という3つの学習スタイルを意識して展開。

デジタルの機能と学習内容により使い分けることのメリットを示した。

模擬授業に参加した小学生は、新しいユニークな「一筆書き」をiPad上で作成してデジタルテレビに転送。

その姿に参観者から歓声があがった。

模擬授業に参加した4年生の児童10名を引率した村橋直樹教諭(越谷市立大沢小学校教諭・埼玉県)は、「個人とグループでiPadminiとiPadを使い分けていた。

また、iPad Airの大きさがグループ学習(協働学習)では適切であると感じた。1人1台のタブレット活用が学校に導入された際には、必然性のある協働学習の在り方を追求していきたい」と述べた。

大学院生も模擬授業

 

一筆書き
模擬授業では「一筆書き」をテーマに個別学習・協働学習を展開

大学院1年生の小松崎洋史さんは、iPadアプリ「元素図鑑」およびその関連の「インアクション」を活用するためのより有効な導入方法として、ヘリウムガスによるボイスチェンジと風船のミニ実験を提案。

大学院1年生の浦野遥さんは、歌を上手に歌う3つのポイントを自身で見本を示した後、iPadに入ったグループごとのデジタル教材(院生自作)で練習。

参観者も含めて全員で「アナと雪の女王」を合唱した。

デジタル教材の作成や地域の授業支援を積極的に行っている同学の今田晃一教授(文教大学教育研究所所長)は、「アナログとデジタルの連携をめざす新しい世代の教員が、着実に育ちつつあるようだ。授業づくりのセンスにうれしい予感を感じる」と述べる。

インドの教科書を展示

世界の教科書展として21回目となる今回は、インドの特集。IT産業が急速に発展するインドでは、小学校から情報教育、特にプログラム学習が充実していること、また教科書にヨガのポーズについての詳しい記載があるなどの特徴が参観者には印象深かったようだ。



【2014年12月8日】

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