教育委員会対象セミナー・京都 ICT機器の整備計画/校務の情報化

乙訓地方独自の評価システムに適合ー長岡京市教育委員会 安楽康史氏

長岡京市教育委員会 安楽康史氏
長岡京市教育委員会
安楽康史氏

校務支援システムを全校で

長岡京市(京都府)では現在、全小中学校(小学校10校、中学校4校)で校務支援システムを導入し活用している。

導入している校務支援システム「Te‐Comp@ss」は、中学校における乙訓地方独自の評価システムに適合するように、平成19年度から企業と共同開発したものだ。

平成21年度から中学校で本格運用を開始し、平成22年度には小学校のパイロット校3校で先行導入、平成23年度に小学校で本格運用を開始した。

教育委員会内にサーバを設置

当初は、学校にサーバを置く形式であったが、平成24年度からは教育委員会内に移設し各校サーバにアクセスし、データを確認できるようにした。

小学校では、通知表、成績一覧表、所見等起案用紙の作成で校務支援システムを活用している。中学校ではこれらに加え、学習指導要領、出席簿、各種テスト結果などを含む懇談会資料作成、受験用報告書(公立、京阪神地区私立)まで校務支援システムを活用している。

長岡京市のある乙訓地域(2市1町、8中学校)では、京都府公立高校の入試にかかわる「評価の統一」を視野に、独自の指導及び評価計画「乙訓スタンダード」が策定されている。

「Te‐Comp@ss」では、この「乙訓スタンダード」の考え方に従って、システムを活用した成績処理を行っている。

「乙訓スタンダード」の評価・評定の算出では、教科の特性に柔軟に対応する評価計画を教科ごとに設定していることが特長で、観点や評価項目にそれぞれ「重み」づけを独自に設定する工夫がなされている。この評価計画を元にした評価・評定の算出を、システムを活用した成績処理として各学期及び年間を通じて行っている。

運用しつつ毎年バージョンアップ

市独自の方法に合わせて開発されたシステムであることから、運用しながら試行錯誤しつつ改善点を洗い出し、毎年バージョンアップが行われている。

トラブル対応は、担当が一手に担っていたが、今年からは開発企業によるコールセンターが設置された。また、学校現場のスキルも上がってきたことから、問合せやトラブル対応は減りつつある。今後は、学齢簿との連携やセンターサーバによるシステム構築、外字への対応、などの課題解決に引き続き取り組んでいく。(講師=長岡京市教育支援センター指導主事兼研究主事 安楽康史氏)

【教育委員会対象セミナー・京都:2014年8月7日】

【2014年9月1日】

関連記事

↑pagetop