宇都宮市教育委員会(栃木県)は今年度から、21・5インチの大型タブレット端末をグループ学習で活用する協働学習モデル事業に着手する。普通教室における大型タブレット端末を活用した協働学習モデルの検証は、市教委によると、全国初。実証期間は2年間を予定。
21.5インチの大型タブレットで協働学習を検証 |
モデル事業実施にあたり整備されたICT機器は、10グループ分のグループ学習用大型タブレット端末とWebカメラ、教員用タブレット端末、無線LANアクセスポイント(AP)2台、教材サーバ用高性能PC、無線LAN接続できるA3対応インクジェットプリンターなど。端末はカートを使って教室間移動できるようにする。アクセスAPは、ファイヤウォール機能を持つ高性能なものを導入してインターネットにのみ接続するようにする。ワイヤレスディスプレイアダプターにより、教員用タブレット端末の内容をデジタルテレビに転送できる。ICT支援員も活用。教室のテレビやプロジェクター、端末、プリンターはすべて無線LANで接続できるようにした。
児童生徒が複数で同時に画像を動かしたり書き込んだりすることができる、意見交換を同時にできるなど様々な機能を持つ協働学習支援システムも2種類導入。両者の使い分けや違いも含めて検証する。なお教育委員会では、2種類の協働学習支援システムを同時間内で同時に立ち上げて活用することは想定していない。これら「協働学習支援セット」を一括で年額約105万円程度、5年間リースで契約した。
整備内容は、教育委員会が決定。今後の活用については、先月立ち上げた協働学習推進プロジェクトチーム(小中学校教員・教育委員会など11名で構成)で指導モデルを作成し3〜4か月ごとにモデル校において実施、効果的な活用方法や整備効果の有無、無線LAN環境の稼動状況、機器整備内容の過不足について検証。モデル校は、姿川第一小学校(平成26年11月〜27年3月)、田原中学校(平成27年4〜7月)、平石中央小学校(平成27年9〜12月)。
宇都宮市教育センターの大瀧伸一所長は「国のモデル事業は1人1台端末を想定しており、その中で協働学習について検証している。宇都宮市では、まずは4人程度のグループによる協働学習を想定して検証、市の今後の整備方針を決定する」と述べる。
現在宇都宮市では、全普通教室にデジタルテレビ、校務用PC1人1台(教育用PCと兼用)、書画カメラを3教室につき1台、指導者用デジタル教科書を整備済み。指導者用デジタル教科書は、小学校国語、算数、理科、社会、中学校英語、理科、社会など。教材サーバで活用しており、デジタル教科書を活用した一斉授業は既に日常的なものになっている。そこに協働学習の試みを強化する目的で、グループ学習を想定した機器活用を検証する。
【2014年8月4日】
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