【校務の情報化】情報漏えいの原因 減らない私物メモリ

自宅、学校、出勤・帰宅途中で紛失・盗難

 学校教諭が関係するセキュリティ事故が後を断たない。指導要録の紛失など書類の誤破棄のケースもあるが、多くは児童・生徒の個人情報や成績データなどを記録したUSBメモリの紛失・盗難事例。しかも、圧倒的に私物のUSBメモリを使用した事故が多い。紛失・盗難場所で多いのは、自宅、学校、次いで出勤・帰宅途中。ISEN(教育ネットワーク情報セキュリティ推進委員会)が調べた事例の中から、小中高等学校教諭が関係する事例を紹介する。( )内は、事故の判明時。

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▼香川県の市立中学校教諭が、入試関係資料を作成するため、校内のPCで私物USBメモリを使用し、挿し込んだままの状態で帰宅。後日資料作成を再開しようとしたところ、USBメモリがないことに気付いたという。USBメモリには、過去に担任した生徒の氏名や成績、所見、住所、保護者名などが記録されていた。(平成26年1月23日)

▼京都府の私立高校教諭が、出勤途中に駅構内のトイレ個室にかばんを置き忘れた。かばんは発見されたが、USBメモリなどがなくなっていたという。USBメモリには、平成21〜25年度分の生徒の氏名、テスト結果や成績などのほか、入試問題の草案が記録されていたという。(平成26年1月10日)

▼岡山県の町立小学校教諭は、児童の個人情報を記録したUSBメモリを紛失していることに気付き、約2年前に校長に報告。校長は紛失の事実を町教育委員会へ報告を怠っていたが、今月になって紛失していたUSBメモリが町教委に匿名の封書で届けられ、紛失が発覚した。封書には個人情報の取り扱いが不適切だと指摘する文書が同封されていたという。(平成26年1月9日)

▼神奈川県の市立小学校教諭が、冬休み中に児童のデータを自宅で整理するために、職員室のPCのデータを私物のUSBメモリに保存した。帰宅後にUSBメモリが見当たらないことに気付いた教諭は、後日学校に問い合わせたが、PCに接続されていないことがわかったという。(平成26年1月7日)

▼岡山県の市立中学校教諭が、担当教科の試験結果を含む成績のデータを、学校内のPCから私物USBメモリにコピーして自宅に持ち帰った。後日、USBメモリがないことに気付き、紛失が判明した。個人情報を持ち出す場合、校長の許可やパスワードの設定が必要とされていたが、教諭はいずれも怠っていたという。(平成25年12月25日)
▼大阪府の府立高等学校校長が出勤中、立ち寄ったスーパーマーケットの駐車場で車上荒らしに遭い、全校生徒と教職員、保護者の個人情報が保存された私物のUSBメモリを入れたかばんが盗まれたという。校長は生徒たちに見せる画像資料を自宅で編集するつもりだった。(平成25年12月24日)
▼香川県の町立中学校教諭が週末に、校務用と私物のUSBメモリ2本を職員室の机の中に入れて帰宅。週明けになって机の中にUSBメモリが見つからず、紛失が判明したという。校務用のUSBメモリには生徒の氏名や性格、委員会活動などが、私物のUSBメモリには生徒の通知表やその下書きなどが記録されていた。(平成25年12月20日)

▼長野県の市立中学校教諭が出勤時に校内の駐車場で上着を着替えた際、上着のポケットからUSBメモリを移し替えた。昼食後、USBメモリがないことに気付き、探したが見つからなかったという。同校では、個人情報を校外に持ち出す際、記録簿に記載し、校長の決済を受け、パスワードの設定をすることとなっていたが、教諭はいずれも行っていなかったという。後日、USBメモリは教諭の自宅で発見された。(平成25年12月20日)

▼神奈川県の市立小学校教諭が帰宅途中、バッグをひったくられた。バッグは翌日、警察を通じて戻ってきたが、財布と私物のUSBメモリがなくなっていたという。USBメモリには、児童の出席番号や成績表の所見などが記録されていた。(平成25年12月17日)

【2014年3月3日】

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