日本の高校生が初の快挙 部門最優秀賞を受賞―米国で国際学生科学フェア 特別研修で成果

 5月12日から17日、高校生を対象とした世界最大の科学コンテスト「インテル国際学生科学フェア(=Intel International Science and Engineering Fair/インテルISEF」が、米国アリゾナ州フェニックスにて開催され、日本からは6組8名の高校生等が参加。日本の高校生初となる部門最優秀賞を受賞した。

  千葉県立千葉高等学校2年の田中堯さんの研究が地球惑星科学部門で日本人初となる最優秀賞を受賞。物理学・天文学部門では、広島県立府中高等学校(広島県)3年・佐藤友彦さんと筑波大学(茨城県)1年四茂野貴大さんが受賞した。

  インテルISEFは、50か国1500強の科学者の卵が集まり研究内容を英語でプレゼン、その内容を競い合うもので、発表プロジェクトの2割が特許を申請するなどの高レベルなもの。1950年以降、米国で毎年開催されており、2013年は64回目。日本は、55回目の参加となる。日本代表は今年度、「高校生科学技術チャレンジ(JSEC)」(朝日新聞社・テレビ朝日主催)と「日本学生科学賞」(読売新聞社主催)を勝ち抜いた6プロジェクト、合計8名の高校生が参加した。

  今回部門最優秀賞を受賞した田中堯さんの研究テーマは「微小貝は古環境指標として有用か」。地層の古環境解析において、これまで活用されていなかった微小貝の化石を指標とすることを提案した研究で、千葉県市原市の下総層群薮層から産出する微小貝の種類と保存状態を調べ、古水深の指標となりうることを示したもの。

特別研修で成果

  日本代表生徒が過去10年以上グランプリや各部門の最優秀賞の受賞がないことから、インテル日本では、いくつか受賞に至らない原因を分析、日本の高校生をバックアップすべく、国際的な舞台でのコミュニケーション力やプレゼンテーション技術の向上を図るファイナリストに向け、今回初となる4日間の特別研修を3月に実施した。部門最優秀賞を受賞した田中さんは本研修について「最初は自分の英語力に不安を感じていたが、今回の研修で様々な仲間からサポートを受けて自信が着いた」とコメントしている。

  研究内容はもちろんだが、プレゼン力や英語力など「表現力」「伝える力」を鍛える重要性を示唆する結果となった。

【2013年6月3日】

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