文部科学省は、国際教育到達度評価学会(IEA)国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の2011年調査結果を公表した。小学校は50か国・地域(約26万人)、中学校は42か国・地域(約24万人)が参加。日本は、149校の小学校4年生約4400人、138校の中学校2年生約4400人が参加した。なお小学校の調査参加国は14か国増えたが、中学校の調査参加国は6か国減っている。TIMSS調査は4年ごとに行っており、過去5回にわたる調査が行われている。
小学校は、理科4位/50か国、算数5位/50か国。前回調査に比べ、平均得点が有意に上昇した。また、習熟度の低い児童の割合が減少し、習熟度の高い児童の割合が増えている。中学校では、理科・数学とも平均得点は横ばいだが、習熟度の高い生徒の割合が増加した。順位は、数学5位/42か国、理科4位/42か国。
小学校理科に成果
「勉強が楽しい」と回答した小学生、中学生の割合は、前回調査と比べて増えた。
特に、小学生の理科は前回調査に続き、国際平均を上回っている。理科・算数では平成21年4月から時数増・内容増などで新学習指導要領の先行実施をしていることに加え、小学校理科支援員配置事業などでの取り組みがあったことなどが成績向上や意欲向上に結び付いたと予想できる。
小学生の約8割、中学生の約7割が、算数・数学、理科の授業において「私の先生はわかりやすい」と回答している。
上位層の割合が他上位国より少
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課題としては、他の上位国・地域と比較すると、成績上位者の割合が少ない点だろう。
また、「希望する仕事につくために数学、理科で良い成績を取る必要がある」と回答した中学生の割合は、前回調査と比べ増加しているものの、まだ国際平均より低い。
主な参加国/地域の順位
小学校理科=1位韓国、2位シンガポール、3位フィンランド、4位日本。5位のロシアは日本と同程度。それ以下は台湾、アメリカ、チェコ、香港など。中学校理科=1位シンガポール、2位台湾、3位韓国、4位日本。日本は、台湾、韓国、5位のフィンランドと同程度。小学校算数=1位シンガポール、2位韓国、3位香港、4位台湾、5位日本。それ以下は北アイルランド、ベルギーなど。中学校数学=1位韓国、2位シンガポール、3位台湾、4位香港、5位日本。
【2013年1月1日】
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