フューチャースクール推進事業視察報告

<< 11月号より

新地町立尚英中学校

  英語の授業でタブレットPCを活用。英語スピーキング力測定ソフトとヘッドセットで各人がテストを実施。タブレットPCで計算問題を実施。電子黒板とテレビ会議システムを使用して、京都府立中学校と金環日食同時観測を実施。

  小中学校共通の学習管理システムを活用、中学校で作成している小学校の復習用テストを小学校でも共有することについて、その有効性が認められた。今後も小中連携をテーマに学習管理システムの利活用について検討、実証予定。

上越教育大学附属中学校

  既存の教科と、新設した「持続発展科」において授業を公開、ICT利活用の視点から実証中。タブレットPCは1クラスあたり毎日3時間程度授業で活用。普通教室のほか、特別教室、グラウンド、体育館で利用している。ICT支援員は、初年度は環境整備や運用サポートが中心であったが、2年目には授業支援が増えた。

  体育の授業では、協働学習ソフトでゲームの記録をまとめたり、ビデオカメラで撮影したプレーの様子をタブレットPCで確認したりしながらプレーの流れやゲーム内容を分析。タブレットPCを生徒総会で利用するなど生徒会活動でも活用。

松阪市立三雲中学校

  タブレットPCは毎日2時間程度授業で活用。職場体験学習の取り組みをタブレットPCでまとめ、発表につなげた。文化祭ではブースを設け、生徒がプレゼンする予定。帰りのHRでは、生徒が「今日の一問」とし、自分のノートを撮影して問題を出題している。デジタル教材の一斉配布や生徒解答の回収も行っている。新聞データベースを活用した調べ学習も実施。

  避難所としての機能の可能性検証を目的に、「タブレットPC体験と親子星座観察会」を、地域の避難場所となる屋上を利用して実施予定。災害時には電子黒板に避難経路を表示することも今後検討。

  遠隔教育システムについては、技術的検証を目的に北海道川上郡弟子屈中学校と交流。当日は特に問題なく実施できた。今後、不登校傾向にある生徒との交流につなげる目的で、適応指導教室の無線LAN環境等について検討予定。

和歌山市立城東中学校

  タブレットPCは毎日1時間程度授業で活用。オンライン教材を5教科導入。自習時間や家庭学習で活用している。オンライン画像共有編集システムを開発し、カナダ(ホームステイ)や校外学習(大阪)で利用。カナダでは現地のWiFiルータに問題なく接続できた。カナダと学校でテレビ会議を実施。スカイプ無料版は1対1接続のため、複数クラスで活用できるテレビ会議システムの要望が上がっている。

  iPadを体育の授業で活用し、フォームを撮影し合い改善点などを話し合った。

  夏休み中、持ち帰り用ACアダプターを用意して家庭への持ち帰りを実施。音楽の宿題で民族音楽を調べるという内容。

新見市立哲西中学校

  4月の修学旅行で、一部の生徒がiPadを利用し、現地から写真等をアップロードした。プレゼン作成の準備や当日の活動のまとめを行うことができ、修学旅行終了時の学校での作業を省略できた。現在タブレットPCを使って家庭学習を促進できるICT環境を検証中。

  教科授業や総合的な学習において、協働型ICT学習支援システムのクイズ機能やホワイトボード機能、iPadアプリを利用して授業を実施。音楽発表会ではiPadを利用して演奏。避難訓練用に地震についてのクイズを作成。

佐賀県立武雄青陵中学校

  想定される学習スタイルはほぼ検証済。タブレットPCは教科学習のほか、道徳や学級活動での活用が増。災害発生時、学校が避難所となった場合、地域住民がタブレットPCを用いて情報収集できるか等について実証を予定。別校地の中学校と高校において、Web会議システムを用いた交流。高校生が中学生のプレゼンにアドバイスをするなど交流が見られた。

宮古島市立下地中学校

  ICTの利活用が言語活動の充実にどのように結び付くかについて検証。ICT機器活用で発表機会が増加する、多人数発表が可能になるなどの成果が見られた。英語の授業では、ネット電話を使ってネイティブと会話。台湾国際交流を実施しており、訪問前にネット電話を使った対面が可能になり、交流をスムーズに進めることができた。

  災害時対策として、電子黒板を災害情報サイネージとして活用。避難住民向けに無線APを開放して持ち込みPCやスマホ等がネット接続できるようにする、生徒用タブレットPCを住民用に提供する際の設定変更について検証中。

その他

  デジタルカメラに無線LANの通信機能を有するメモリカードを活用。教員がデジタルカメラで児童のノートを撮影、デジタルカメラから電子黒板用PCに自動転送することで、瞬時に電子黒板に投影し、クラス全員で共有した。なお無線LAN機能付きメモリカードについてはデジタルカメラとの相性等動作検証が必要という報告もあった。

【2012年12月3日】

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