7月23日、千葉県総合教育センターで「テレビ会議ソフトウェア活用入門(Skype入門)」が行われた。今夏、千葉県総合教育センターでは情報化関連の研修に約1000名が受講する予定。社団法人日本教育工学振興会(JAPET)の視察に教育家庭新聞も同行した。
教員研修でSkype入門
Skype体験を希望する教員が研修に参加した |
「テレビ会議ソフトウェア活用入門(Skype入門)」はテレビ会議を活用した学習ができるようにするための研修で、講義と実習の2部構成で行われた。
研修講師は遠藤康俊氏(日本教育工学振興会)、小田和史氏(匝瑳市立豊栄小学校)。
外国語活動で活用
東庄町立橘小学校6年生の外国語活動では、教室内で担任・ALTと児童のやり取りの中で知識やスキルを学習・習得し、テレビ会議では外部とコミュニケーションを行うことで習得した知識やスキルを実践している。遠藤氏は「言葉が通じた嬉しさ、通じなかった悔しさなど小さな成否体験が児童の更なる学習の動機付けにつながっている。先生が実際にテレビ会議を活用している姿を児童に見せることが重要。そのためには事前に先生同士のコミュニケーションを取る事も大切」と成功のポイントを解説した。
地域学習や国際交流で
旭市立矢指小学校(小田教論前任校)では、テレビ会議を活用し、地域の歴史や環境に思いを深める交流学習(4年)を行った。
地域での交流は共通の話題・課題が持ちやすいという。
沖縄県中城村との交流学習(5年)では国内遠隔地交流を行なった。社会科学習との関連付けや、後に行われる学校訪問活動への目的意識を持つことができたという。
シンガポールの小学校とのテレビ会議を活用した国際交流の実践(6年)では、言葉の壁があるため、より伝わりやすいように音楽の演奏や実物の投影、地域の踊りの披露やプレゼンテーションソフトの活用など言葉がなくても見て分かる工夫を施した。児童が英語で全て会話することは難しいので、たとえ一言でも話せる範囲で児童が話し、その他はALTや言語ボランティアに訳してもらい交流を行なった。
Skypeは全員未体験で研修は |
小田氏は、「実際に会い、直接話し合う経験と比べるとテレビ会議を活用した交流ではコミュニケーションにストレスを感じる場合があるが、時間的距離的な制約を越えて交流ができたり、自分たちの文化・生活・考え方の違いを自然と感じる事ができ、積極的にコミュニケーションしようとする心を育てたりする事ができる良さがある。画面を通じてコミュニケーションするため、何を伝えたいのか、興味を持ってもらうためにはどうしたら良いのか、どうしたら伝わりやすいかなどの情報を整理して伝える力が必要であり、その制約はかえって学習の良い機会となる」と解説。「交流でなければ出来ない必然性と、交流により子どもが何を学ぶのかを明確にして行うことが重要なポイント」と、まとめた。
実習ではSkypeをインストールし、参加者同士でテレビ会議を体験した。また、デジタルカメラを使って収集した情報をもとにテレビ会議を活用した交流実習を行った。
▼Skype=インターネット経由や電話回線でテレビ電話やチャットができる無料サービス。現在はマイクロソフトが提供している。
【2012年9月3日】
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