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高校生が「進路」テーマにフェイスブック

文系女子はパイロットになれる?

 東京大学大学院情報学環では、7月30日から8月13日まで、首都圏、大阪、東北から計23名の高校2年生がFacebookを使って、自分自身の進路について考えるサマースクールを行った。同学の山内祐平准教授はこの取り組みについて、「高校生が大人とコミュニケーションする場を人為的に設定することで、そこでの交流から多くのことを学ぶことができた」と話した。

大人と交流して 学習を活性化

  これは情報学環で行っているSocla(ソクラ)という取り組みの一環だ。

  高校2年生がFacebookで、大人のサポートを得ながら、自分自身の「進路」について考えた。受講生の高校2年生は自分が設定した大学生活、職業と就職、ライフプランニングに関するテーマについてインターネットを使って情報収集したり、Facebookを使って社会人や大学生、大学院生のサポーターと交流したりしながら、自分なりの回答を探す。

  受講生からは、「国際社会で活躍するためには、どんなサークル活動があるのか?」「結婚とやりたいことの現実の関係性」「文系女子はパイロットになれるのか?」など、高校生の悩みが反映されたテーマが提示された。

  受講生は5つのグループに別れ、それぞれのグループには4、5名の受講生と6名程度のアドバイザー、1名のファシリテータがついた。

  ファシリテータは受講生とアドバイザー間の交通整理をするとともに、不適切なアドバイスなどは削除できる。ファシリテータの存在は、アドバイザーの回答の質を保証する役割を果たす。

ネットの特性 活かして改善

  今回のアドバイザーは、Facebookを使ったネット上で募集が行われたが、教育に高い関心を抱いている質の高いアドバイザーが集まる結果となった。

  ファシリテータやアドバイザーと東京大学のスタッフが情報交換をする場では、受講生のコメントにすばやく回答するため、各受講生のアクセスする時間帯など、受講生についての理解や情報共有が進められた。

  また受験生が行ったネットアンケートを集計する仕組みが途中でアップされるなど、学習環境の改善も随時行われた。大学教授や弁護士、外務省、国連広報センターにインタビューを行った受講生には、アドバイザーからマナーを含めた事前のアドバイスがなされた。

  SNSを十分に活用できているとはいえない受講生に対しては、アドバイザーがフォローした。

  また、受講生同士がお互いの進捗状況を共有することで刺激を受けて学習意欲をアップさせるケースも見受けられた。

交流は継続

  受講生は8月13日、東京大学で成果発表会を行った。受講生とアドバイザーらは本プログラムの終了後も、Facebookで交流を引き続き行っているという。高校生が新たな課題に直面したとき、また的確なアドバイスを得られる場として役立つことが期待される。

【2011年9月5日号】


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