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経済産業省電力需給緊急対策本部は、4月8日に了解された「夏期の電力需給対策の骨格」に基づき、5月13日に電力需給対策をとりまとめた。家庭や学校は、ピーク期間・時間帯である7〜9月、平日の9時から20時における使用最大電力を15%削減することが求められている。
今夏における想定需要と供給力見通しから、学校を含めた小口需要家(契約電力500kW未満の事業者)や家庭において、目標とする需要抑制率マイナス15%のための自主的な節電計画の策定・公表が求められている。
学校の節電対策
学校においては、9時から17時に高い電力消費が続き、ピーク時は14時。夏期の就学日におけるピーク時の電力消費はその69%が照明となっており、うち8割以上が教室・職員室・廊下だ。
(財)省エネルギーセンターでは、 |
資源エネルギー庁がまとめた「学校の節電行動計画」チェックシート(図)(以下、チェックシート)には、節電行動計画の具体的なアクションとして、教室、職員室、廊下の照明を間引きする、体育館の照明を4分の1間引きする、従来型蛍光灯をLED照明や高効率蛍光灯にする、音楽室やコンピュータ室等は連続利用する、待機電力を削減する、特に夏休み中はPC、テレビ等のプラグをコンセントから抜く、緑のカーテンや遮熱フィルム、すだれ等の活用などが挙げられている。
学校関係者への啓発も必要だ。「チェックシート」には、児童・生徒への節電教育を行い、自発的な活動を推進すること、節電担当者を決め、学校長等責任者と関係者と連携し、フォローアップ会議や節電パトロールの実施なども挙げられている。
節電教育教材で 夏休みの節電を
資源エネルギー庁では、節電教育用教材(テキスト、チェックシート、教師用解説書)として、小学校向け3種(低・中・高学年用)、中学校向け1種と、教師用模擬授業DVD(小学校、中学校1種、計40分程度)を作成した。
これは、児童生徒への節電教育を実施することで、夏休みの家庭における節電への取り組みを一層推進するための教材だ。本教材に基づき節電を分かり易く伝える教え方の例や、節電の大切さを教えるためのヒントを、学年別に収録した模擬授業もWebにアップされている。
教材に添付している「夏休み節電チャレンジシート」を使って実際に節電にチャレンジ、取り組んだ内容をシートに記入して感想文を提出すると、「節電感謝状」が送付される。応募はクラス単位または学校単位。締切は9月30日。
教材データはWebでダウンロードできる。(http://seikatsu.setsuden.go.jp/edu/about.html)連絡先=節電教育支援事務局Tel03・3553・1725
今後、政府としては、小口需要家に対する巡回節電指導や出張説明会を実施していく予定だ。また、家庭に対しては「家庭の節電対策メニュー」を周知、節電教育等を通じ家庭の取り組みを促進していく。
今夏以降の対策としては、省エネルギーの一層の推進、スマートメーター(※)の導入促進、ガスの活用等を図る考えだ。
※通信機能や管理機能を持つ高機能型の電力メーターを含んだシステム。電力メーターを介して機器の稼動状況などをネットワーク経由で電力会社が管理する。リアルタイムで利用者に電力単価を知らせることもできる。
省エネ家電普及促進フォーラムでは、経済産業省と連携して、暮らしの省エネ専門家「省エネ家電コンシェルジュ」を小学校に派遣し、地球温暖化問題や家庭でできるエネルギーについて学ぶ「省エネ出前授業」を実施する。今年度は、今夏の電力事情を考慮し、地球環境を中心とした従来のプログラムに加え、新たに「節電」についても取り上げる。無料。昨年度実施した学校からは、「授業後、子どもたちが教室移動の際に必ず電気や冷房を消したり声をかけ合うようになった」、「授業参観日に出前授業をお願いした。保護者も省エネについて納得していた」、「地球温暖化防止やCO2削減に向けた具体的な行動について理解できた」などの感想が聞かれている。
【対象児童】全国の小学生(4〜6年生)
【実施期間】1期=5〜8月 2期=9〜12月
【実施校数】全国1000校(予定)。応募者多数の場合調整
【授業時間】45分間【実施場所】参加校の教室または体育館
【申込方法】申込書をダウンロードし、必要事項を記入、FAX。
申込書=http://www.shouenekaden.com/
【問合せ】財団法人 省エネルギーセンター「省エネ家電普及促進フォーラム」事務局Tel03・5543・3013
【2011年7月4日号】