TOP>教育マルチメディア>記事 |
最新IT教育―実践、成果を報告― |
文部科学省は、OECD「生徒の学習到達度調査(PISA2009)」によるデジタル読解力調査の結果及び分析内容を6月28日に公表した。それによると、日本の高校生のデジタル読解力は参加19か国中4位であった。トップは韓国。
「デジタル読解力調査」(Digital Reading Assessment)とは、コンピュータ画面によって調査問題を提示・解答することで「読解力」を測る調査だ。問題を解くために、HPへのアクセスやクリック、コピー&ペースト、eメールの送受信、Web掲示板への書き込み等ICTリテラシーに関する知識・技能が必要。PISA調査では将来的に筆記型調査からコンピュータ使用型調査に移行する予定であることから、PISA2009の国際オプションとして「デジタル読解力調査」(コンピュータ使用型調査)とコンピュータ利用等に関する生徒への調査(ICT質問紙調査)を実施した。
本調査には、PISA2009に参加した65か国・地域、約47万人のうち、19か国・地域、約3万6千人の15歳児が参加(うち17か国・地域、3万4千人がICT質問紙調査に参加)。
2009年調査に参加した日本の高校1年生185校約6000人のうち、109校・約3400人が調査に参加した。
■デジタル読解力下位層の割合は少ない
参加19か国・地域の中で、日本の高校生の「デジタル読解力」の平均得点は上位(4位)であり、習熟度の下位層(レベル1以下)の割合は2番目に少ない。
日本の「デジタル読解力」は、「プリント読解力」に比べると、平均得点に差はないが、習熟度の上位層及び下位層の割合が少ない。
習熟度の上位層(レベル4以上)が最も多いのは韓国。次いでニュージーランド、オーストラリアの順。韓国は、習熟度の下位層も最少。
|
日本は、普段の1週間のうち、国語・数学・理科の各授業において、コンピュータを使っている生徒の割合が最も低い。(国語=日本1・0%、OECD平均26%、数学=日本1・3%、OECD平均15・8%、理科=日本1・66%、OECD平均24・6%)
■作品制作は最下位
マルチメディア作品の作成では、「自分で上手にできる」、「誰かに手伝ってもらえばできる」と回答した生徒の割合が参加国・地域の中で17カ国・地域中17位と最も低い。OECD平均値が82・7%だが、日本の高校生は49・6%と、大きな開きがある。
表計算ソフトを使ったグラフの作成については、OECD平均より低い水準で、12位(17か国・地域)。
【2011年7月4日号】