最新IT教育―実践、成果を報告―ICT|フィンランド教育 |
米、中、フィンランドなど海外9か国・地域を対象とした理数教科書の国際比較調査が実施され、その結果を踏まえた公開シンポジムが開催された。調査内容は、教育事情と教科書制度、教科書の内容の比較、現地調査など。報告書より各国の教科書の特徴をまとめる。
「共通フレームワーク」で期待されている「基礎力」の観点「科学とテクノロジー、社会、環境」及び「スキル」についての記述を重視。本文中に数学など他教科と関連する事項が掲載。
教科書は自由発行、自由採択が基本。
日常生活の文脈から出発し、その背後にある科学の原理を学習、日常生活への科学の応用へと導く学習の展開になっている場合が多い。児童・生徒用教科書以外に、教師用書、CD―ROM版はほとんどの教科書に附随して作成。この他多種多様な副教材を作成。オンラインでの学習支援ポータルサイトも開設。学校により生徒にこれを利用する機会を提供している。
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教科書は自由発行。
コレージュの教科書では、学習内容を確認する問題、理解を深める問題、身につけた知識を利用する問題にわけて提示。知識の定着と活用が図られている。生徒が自分の進路や職業について考えたりイメージしたりする上で参考となる具体的な資料が提供されている。
学習者に応じ学習を発展させるツールとして、CD―ROM教材の利用やWeb閲覧を推奨している。
中等段階Tの教科書では「プロジェクト」が導入されているものがあり、幅広い課題を生徒が追究する学習形態が取り入れられている。
教科書の検定制度はない。
体験を通した知識の獲得の必要性が記載。教科書の図は正確。発達の早い段階から詳細な情報を伝え、知的好奇心を掻き立てる編集内容。内容は学年進行とともに高度になる。
小学校は国定教科書を、中学校、高等学校は検定教科書を使用。小・中学校では無償提供。
学習内容と関連した内容をより深く調べられる博物館や参考サイトが提示され、インターネットなどを通して自学自習できる。中学校の教科書では、各中項目の終わりに発展学習や補充学習の課題が載っている。実生活と関連ある内容を多く取り入れている。
調査内容詳細=www.nier.go.jp/seika_kaihatsu_2/
【2010年2月6日号】