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「教育の情報化に関する手引」
「教科指導におけるICT活用」準拠
一般教職員向けパンフレットが完成
文部科学省「教育の情報化に関する手引」(以下、「手引」)第3章「教科指導におけるICT活用」に準拠したパンフレット「わかる・できる授業づくりにICT活用を!」が完成した。同パンフレットは、財団法人パナソニック教育財団の「先導的実践研究助成」によるものだ。(解説=研究代表者・堀田龍也氏・玉川大学准教授)
教育の情報化に関するあらゆるジャンルが網羅されている「手引」だが、情報教育やICT活用に取り組み始めて日の浅い先生にとっては、読みやすいものにはなっていない。これは「手引」が、必要なときに必要な箇所を読むための「教育の情報化に関する辞書」的な役割を担っているからだ。しかし「手引」には、授業をするすべての先生に知っておいてもらいたい内容も多く盛り込まれている。そこで、ICT活用を始めたばかりの先生や、これから始めようと準備を進めている先生にも分かりやすい形で内容を提供するための普及型パンフレットが作成された。
学校の先生にとって特に関心が高いのが、授業でのICT活用だ。そのため、パンフレット内容は第3章「教科指導におけるICT活用」に特化。内容や章立てはほぼ「手引」と同様とし、第3章「教科指導におけるICT活用」準拠版「わかる・できる授業づくりにICT活用を!」とした。
パンフレットは15ページ構成で全ページカラー。イラストや写真をふんだんに取り入れ、一目で分かりやすいように配慮されている。
特に授業に役立つ内容に重きが置かれており、中でも最もページが多く割かれているのが、「先生が授業でICTを活用する」シーンだ。ここでは、「わかりやすく説明したいとき、理解を深めさせたいとき」、「基礎基本を定着させたいとき」、「学習習慣を身に付けさせるとき」、「興味・関心を高めたいとき」、「課題をしっかりつかませたいとき」、「知識の定着を図るとき」など、課題ごとにICTの活用を写真やイラストを中心に紹介している。
次に多いのは、子どもがICTを活用する場面だ。子どもの発表や調べ学習、話し合い、まとめ学習、知識の定着など、目的にあわせてICT活用を分類、イメージがわきやすいようにした。
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教科指導においてICT機器を効果的に導入するには、映す内容と、大きく映すための機器、両者が必要だ。「教科指導で活用するICT機器」では、それが一目で分かるように配慮した。
大きく映す機器には、プロジェクター、電子黒板、大型ディスプレイなどがある。映す内容としては、実物投影機などを使って教科書やワーク、プリントを映す、教科書準拠のデジタルコンテンツを使う、デジタルテレビ放送番組を使う、デジタルカメラで撮影した画像や映像を映す、フラッシュ型教材などの教材を使う、などのバリエーションがある。
映す内容は、授業の充実につながる。
大きく映す機器の性能比較がよく行われるが、授業にとって本質的に重要なのは映す内容の方だ。そのため、実物投影機やデジタルコンテンツなどを潤沢に準備することが望まれる。
同パンフレットは、3月より広く配布される予定。申込は http://horilab.info/tebiki-panf/ へ。なおPDF版は、パナソニック教育財団のHPよりまもなくダウンロードできる予定だ。
同財団による「平成22年度先導的実践研究助成」助成先は以下の9件。学校教育現場におけるICT活用の普及に資する研究成果が期待される。
=普及型=
▼「ICT活用初心者教員のための『ICTを活用した授業づくりリーフレット』の開発」富山大学准教授・高橋純
▼「教育経営に機能する教育情報化の普及を支援する“教育情報化事例ガイド”の開発」宮崎大学教授・新地辰朗
▼「学校の情報化の状況を具体的に示す『学校情報化チェックリスト』の普及とその効果的な活用」横浜国立大学准教授 野中陽一
▼「特別支援教育での外国語活動におけるICTの活用促進を目指した参加型校内研修の企画・運営ガイドの開発」愛媛大学准教授 中山晃
▼「総合的な学習の時間のカリキュラムマネジメントのためのワークショップ型研修パッケージの開発」鳴門教育大学教授 村川雅弘
=モデル型=
▼ハイビジョン規格コンテンツの制作モデルの活用と精緻化」福山大学・内垣戸貴之
▼「国際連携を志す教員を支えるICT教材整備と交流デザイン」日本福祉大学教授・影戸誠
▼「映像の理解・表現に関するメディアリテラシー教育教材の開発」武蔵大学准教授・中橋雄
=萌芽型=
▼「中等教員養成におけるICT活用指導力の質保証を実現するe‐learning教材の開発」芝浦工業大学特任准教授・石井奈津子
左)「教科指導で活用するICT機器」では「映す道具」と「映す内容」の重要性と関わりが一目でわかるようにまとめた。
下)先生が教科指導で果たしたい目的「わかりやすく説明したいとき、理解を深めさせたいとき」、「基礎基本を定着させたいとき」、「学習習慣を身に付けさせるとき」に分類、具体的にどんな使い方があるのか例示した。 |
【2010年3月6日号】