最新IT教育―実践、成果を報告―ICT|フィンランド教育 |
【ワークショップ】
ワークショップでは、フォーラム参加者が4グループに分かれ、より良い授業を行うための指導法などを学んだ。
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三浦邦子氏(小学校英語活動研究会・東京ネットワーク統括講師)は、「小学校英語のねらいと授業のポイント」を紹介。小学校英語では子どもの意欲を損なわないように、頑張って英語で話そうとしたことをほめることが大事だ。何月生まれかと聞かれた人が「July」と英語で答えると、それを聞いた人は「OH」や「good」などあいづちを打つ。少しでも多く英語を話す機会を子どもに与えるためで、1人が英語で答えている間に、他の児童を待たせない工夫するように指導した。
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黒田卓氏(富山大学准教授)は「コミュニケーションとメディアを考える」をテーマに進めた。授業の内容が子どもたちに伝わらないのは、コミュニケーションの手法に問題があるという観点から、コミュニケーションの重要性を体感させるためのアクティビティを行った。
参加者同士でペアを組み、自分からイメージされる動物の名前を背中に書いてもらう。他の参加者に1つだけ質問して背中に書かれた動物の名前を当てるというゲームだ。1つの質問で答えを導き出すためにどうすれば良いか。それを考えることは、円滑なコミュニケーションのポイントとなる。
【講演】
新学習指導要領が求める言語力育成
東京女子体育大学 田中洋一教授
新しい学習指導要領の総則では「児童の発達の段階を考慮して、児童の言語活動を充実する」とあり、指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項でも「言語に対する関心や理解を深め、言語に関する能力の育成を図る上で必要な言語環境を整え、児童の言語活動を充実すること」とある。
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言語活動が重視されているのは、「聞く」「読む」「話す」「書く」能力に加え、頭の中で「感じたこと」や「考えたこと」を相手に伝える能力を高めることが、全ての学習の基礎・基本につながるからだと田中氏は説明する。
数学や社会の授業で国語力を伸ばすのかと誤解されがちだが、あくまでも各教科の目標を達成するために言語活動を重視している。
例えば小学校の算数では、図形の面積を求める際、「言葉や図を用いたりしながら説明する」とある。これは、面積の求め方を説明することで、自分の考えをより明確にするためだ。また、中学校の音楽では、「鑑賞の活動を通じて、根拠をもって批評するなどして、音楽の良さや美しさを味わう」とあり、これは批評するという言語活動を通じ、音楽の授業を質的に向上させるのがねらいだ。
言語活動充実に向け、授業を改善する際には、@「年間計画の中に、児童・生徒の言語活動を中心とした授業を位置づける」、A「言語活動によって児童・生徒にどのような力を付けさせたいのか明らかにし、子どもにも明示する」、B「言語活動をすることによって考えが深まったことを児童・生徒に実感させる」といったことが重要なポイントとなる。
■関連リンク
IMETSフォーラム2009
【2009年09月05日号】